教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-047/48page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-047/48page</p>

ふるさと探訪

ふるさと探訪

県指定重要無形民俗文化財(追加指定)

三島町(みしままち)の年中行事(ねんちゅうぎょうじ)

所在地 大沼郡三島町 

保護団体 三島町年中行事保存会

年中行事は徐々に姿を消していますが、三島町では町ぐるみで年中行事を伝承し、昭和六十一年には九種の初春行事が県の重要無形民俗文化財に指定され、今回新たに三種の行事が追加指定されました。

(1)三月節供と雛流し

高清水地区では、三月二日に各家で女性の家族数だけ紙雛を作ります。節供の終わった三月四日に、小学生が家々を廻り、玄関先で雛人形を受け取り、箱に入れたまま只見川に流します。女性の無病息災を祈る行事です。

(2)虫送り

虫送りは害虫を駆除するための行事です。かつてはサナブリに行われましたが、現在は同町の大石田など四地区で六月から七月にかけて行われています。当日は子供たちが手作りの行灯を持ち、「デンバラムシ送れ」の掛け声をかけて旧村境まで練り歩き、虫を村外に送ります。豊作を祈願し、また子供たちの紐帯を深める行事です。

(3)虫供養

同町の早戸地区に伝承されている行事です。地区の人々が鉦を鳴らしながら村境へ集まり、トウバという御札を立て、供え物を捧げて虫の供養をする素朴な行事です。

三島町の年中行事 (三月節供と雛流し)
三島町の年中行事 (三月節供と雛流し)




県指定重要文化財(考古資料)

灰釉印花文瓶子(かいゆういんかもんへいし)

所在地 白河市字中田七番地の一 白河市歴史民俗資料館

所有者 白河市

この瓶子は、昭和五年に白河市円明寺の丹羽長重の墓の改修工事の際に発見されたと伝えられます。

瓶子の体部は輪積手法で成形し、頸部を接合して完成したものです。倒卵形の体部と細く短い頸部からなるこうした器形の瓶子を梅瓶(めいぴん)と呼びます。また体部の中程以上には大小二種類の竹管状の器具を組み合わせて押しつけた梅花の文様が見られます。

釉は緑色の灰釉で、表面全体を施し、特に釉流れが著しい点が注目されます。

この瓶子は、こうした特色から十四世紀前半(鎌倉時代末期から南北朝時代初期)に、現在の愛知県瀬戸周辺の窯で製作されたものと思われます。

本例は、窯出しに伴う底面の六箇所の剥離痕の他に、口縁の一部に小さな剥離があるのみの完形品で、頸部の隆帯が明確に表現された点、のびやかな梅花文で器面を幅広く飾る点、さらに、きわだった粕の流れなど、古瀬戸梅瓶の優品といえるものです。

なお、桑折町大榧遺跡出土の梅瓶も同種のものですが、県指定となっています。

灰釉印花文瓶子
灰釉印花文瓶子


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。