教育福島0225号(2000年(H11)2・3月号)-014/52page
平成12年度企画展の概要 福島県立美術館
1 棟方志功と斎藤清展 7月20日(木)〜8月27日(日)
日本近代版画の中で東北地方から輩出し、独創的な足跡を残した木版画家、棟方志功(1903−1975)と斎藤清(1907−1997)の代表的作品を同時に展観し、二人の版画表現の特質を浮彫りにします。青森の祝祭ねぶたに通じる土着のエネルギーや躍動感に満ちた棟方志功の力強い造形、故郷会津や日本の古都風景を清明な近代的様式美に結実させた斎藤清の木版画。本展では、この対照的な個性にみられる東北地方固有の精神風土、ひいては日本人の美意識の源流を、約200点の作品によって検証します。
2 エドワード・ホッパー展 9月2日(土)〜10月15日(日)
20世紀アメリカ美術を代表し、ワイエスとともに写実派の巨匠として国民的な評価を得ている画家エドワード・ホッパー(1882−1967)の回顧展。ホッパーはアメリカの都市や郊外の日常的な情景を独自の静寂な詩情をたたえながら油彩画、水彩画などで表現しています。本展は、都会に生きる孤独な入間、人のいない風景、室内の裸婦、夕暮れの公園などを主題に、日常生活に潜む内面的な情感をだれよりも深く絵画化し、アメリカ精神を代弁するホッパーの全画業を代表的な油彩、水彩、版画など約110点で紹介します。
3 江戸モード大図鑑展 10月28日(土)〜12月10日(日)
国立歴史民族博物館が所蔵する、江戸期友禅染の小袖に関するわが国最大の野村コレクションを核に、当時の関連する絵画、陶磁、浮世絵、屏風を加えて、小袖文様のモードとしての変遷と、それらを支えた町人衆の美意識や意匠の特質を約240点の作品、資料によって検証します。
4 アンドリュー・ワイエス展 2月24日(土)〜4月8日(日)
ワイエス(1917−)の画業において、重要な主題をなしている「クリスティーナの世界」に関連したドライ・ブラッシュ(水彩画の技法)やデッサン等の作品約100点あまりによる展覧会。深い精神性をたたえたワイエス独自の絵画世界や、本画へいたる制作過程を跡づけることが出来る諸作品を、丸沼芸術の森コレクションによってあらためて紹介します。
休館のお知らせ
館内空調設備の全面的な工事のため長期にわたり休館しております。皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力とご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
1999年10月18日〜2000年7月19日(予定)