教育福島0225号(2000年(H11)2・3月号)-049/52page
博物館ノート
企画展
あるく・うつす・あつめる
松平定信のおたから古文化財調査 集古十種
会期 平成十二年四月二十二日(土)〜六月十一日(日)
白河藩主だった松平定信は寛政の改革を行った人として有名です。老中・藩主として国政・藩政で様々な政策を進めた政治家であると同時に、定信は当時一流の文化人でもありました。文化に深い関心を持っていた定信が中心となって編纂した『集古十種』という本があります。甲冑・刀剣などの武器武具、武将や僧侶の肖像画、鐘や碑の銘文、楽器、文房具など、約二、〇〇〇点の古いモノをまとめたものです。定信の命を受けた谷文晁らの画人や学者らが全国各地を“あるい”て、モノの形状や大きさを“うつし”て、情報を“あつめ”て作った江戸時代の文化財図録です。「熱田神宮の神馬を飾った馬具」や「建長寺の北条時頼像」、「尾張家旧蔵の笙銘二帯」、定信のお膝元・白河の「満願寺扁額」など、『集古十種』に取り上げられているものの中から現存しているものを展示し、『集古十種」の世界をご紹介します。定信たちにとっての“おたから”を通して、二〇〇年前の古いモノに対する意識に触れてみて下さい。
企画展観覧料 一般・大学生 二六〇円(二一〇円)
高校生 一五〇円(一二〇円)
小・中学生 一〇〇円(八〇円)
※( )内は二〇名以上の団体料金
松平定信像 松平定信・狩野義信筆
福島県立博物館蔵
重要文化財 北条時頼坐像 建長寺蔵
重要文化財 金銅装唐鞍 熱田神宮蔵