教育福島0225号(2000年(H11)2・3月号)-050/52page

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美術館だより
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県立美術館コレクション紹介3

フランス印象派―海外作品

フランス印象派―海外作品


19世紀後半、フランスではアカデミックな絵画に飽き足りず、身の回りの風景をありのままに捉えようとする画家達が現れました。彼らはイーゼルを外に持ち出し、あるべき姿ではなく、今まさに目の前に広がっている風景を直接的な視覚の印象に基づいて描き出そうとしました。やがて彼らは印象派と呼ばれるようになります。それまでの絵画と彼らの絵画との大きな違いは、影を黒い色彩から解放したこと、線によって輪郭線を描くことをやめたことでした。彼らの作品は光と大気に満ち、躍動感に溢れたものとなりました。

「ジヴェルニーの草原」
クロード・モネ 「ジヴェルニーの草原」
1890年 カンヴァス・油彩 65.1×92.4cm

クロード・モネ(1840〜1926)は、印象派という名前の由来となった『印象・日の出』を描いて注目を浴び、グループの中心的な役割を果たした画家です。同じ場所、同じ風景でも、その表情は絶えず移ろい変化します。モネは自分を魅了した一瞬の光景をカンヴァスの上に再現して見せようとしました。

「エラニーの菜園」
カミーユ・ピサロ 「エラニーの菜園」
1899年 カンヴァス 油彩 72.9×92.0cm

カミーユ・ピサロ(1830〜1903)は、個性的な印象派の画家達の中にあって、温厚で多くの尊敬を集めた長老的な存在でした。作品もそれに似て、安定感のある穏やかな作風を展開しました。

「ブルターニュの子供」
ポール・ゴーギャン 「ブルターニュの子供」
1889年 紙・水彩、パステル 26.3×38.2cm

ポール・ゴーギャン(1848〜1903)は、印象派を土台にしてさらに新しい方向を目指した後期印象派といわれる画家の一人です。色彩を平面的に用いることによって象徴性と装飾性を強調しようとしました。ヨーロッパから遠く離れたタヒチで、自らを孤独の中に追いやり、芸術と格闘したその生き様は、サマセット・モームの『月と6ペンス』のモデルにもなっています。


休館のお知らせ
館内空調設備の全面的な工事のため長期にわたり休館しています。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしておりますが、ご協力とご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
1999年10月18日〜2000年7月19日(予定)

お問い合わせ:福島県立美術館 024(531)5511


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