教育年報1956年(S31)-000-01/73page

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世の中が進歩するにつれて、われわれの生活は便利になり、社会生活の環境は整備される。

また、近年の著しい産業の発達によって、われわれの経済生活は豊かになることも当然であろう。

しかしながら、これらのことは幸福の条件ではあっても、真の幸福の実体ではない。

われわれが日々判断し行動する生活の中に、自由と満足を得ることができ、それを発展させて、さらに他に及ぼし、将来をも律する知性と情操とを培うものは何であろうか。

国家社会の進展に貢献し、望ましい人間像を育成する最も根原的な働きをするものーそれが教育でなくてはならない。

このような営みに熱誠を傾けられている各位に、つねによき助力者となり、よき資料を提供し、また、われわれの施策反省の資料を作成することは、教育委員会の使命であり、責任でもある。

ここに、さらによりよい効果を明日に期待するために、教育年報を公刊するわけである。

けれども、ここに記述されたものは昭和三十一年を中心とする教育の歩みと現況の一端にすぎない。

教育関係者の賢察と善意によって、本書があまねく活用され、本県教育振興のための資料となることを希求してやまない。

昭和三十二年三月

教育長 栗村虎雄


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