教育年報1958年(S33)-000-01/83page

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 昭和34年の新年度を迎え,わたくしは,今後の大きな課題として教育の正常化(中立性の確保)

と本県教育水準の向上という二つの問題に腰を据えて取り組みたいと考えている。

 そして,教育の向上をはかることは,教育行政本来の主目的であるが,これは単に県教育委員会

に関することだけではなく,次代を背負う国民に関することであり,地域社会のよりよい形成者育

成に関することでもあり,さらには1人1人の後継者に関することであって,国家にとっても,ま

た,県民各位にとってもきわめて重要であることはいうまでもない。

 しかも,教育水準向上のためには,教育の予算,行政施策の各般における条件充実および県市町

村当局の努力,父兄の協力などにかかわるものである。

 このたび昭和33年度における本県教育の歩みと現状をまとめて教育年報を刊行することにした。

 これは,ひとつは各位によき資料を提供し,他面,わたくしどもの反省資料として役立たせたい

ためのものである。

 どうか,過去をふりかえるとともに,将来をおもんばかり,手をたずさえて本県教育水準向上の

ために充分、活用されるようお願いして序とする。

  昭和34年5月

教育長 佐藤光


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