教育年報1959年(S34)-008/121page
E 県教組との交渉
昭和34年度における県教組との交渉は,主として教育
課程に係る問題及びそれに伴なう処分等について行なわ
れた。以下その経過の主なものについてのべる。
4月8日 午後2時〜4月9日午前1時
場所 教育委員会室
内容 坂下町教委管内の人事について
坂下町教委管内において,昭和33年度における勤
務評定及び管理職手当反対斗争に関係した者の年度
末人事異動について白紙還元の申入れがあった。し
かし,県教委としては,地域の批判を考慮したこと
や,坂下町教委の内申の手続きに誤りはないことを
強調した。
4月22日 午後1時20分〜午後7時34分
場所 教育委員会室
内容 坂下町教委における人事について
4月8日に交渉のあったことについて,着任する
よう4月16日発令があったのでその効果について話
し合いが重ねられた。
5月22日
県教組より教育課程改訂に関する公開質問状が提出
された。この前後に再三にわたって,教育課程改訂に
ついて話し合いがなされた。
公開質問の内容と解答の要旨
a 教育課程の改訂は中央集権化を図り,差別教育を
うながし,最低基準として大きな時間数を要求してい
るがどう思うか。
答 今回の改訂では学習指導要領の法的規範性は変え
られたということはなく,中央集権化とは断定できない。
また,選択教科の巾が大きくなったが,大部分の教
科,その他については全生徒同一の学習をすることに
はかわりないので差別教育になるとは思わない。
大きな時間数といっても,たいがいの学校は年間約
41週分登校しているのに,学習指導要領の授業時数は
35週となっているのでそこに6週間の差があるので,
有効につかうことができるので無理とは思われない。
b 「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」
は,学校教育法第20条の規定に違反すると思う。また
それによる通達や講習会は違法であり,不必要ではな
いか。
答 違反する点はないと考えるし,それに基づく通達
や講習会は違法のものではない。
c 教科書の採択権は現場教師にあると思うがどうか
答 教科書の採択は所管の教育委員会の責任において
行なわれるものである
7月10日 午後1時25分〜1時55分
場所 教育委員会室
7月の定例教育委員会の席上で,県教組代表が陳情
を行った。
a,勤務評定を撤回してもらいたい。
b,勤務評定書を返還してもらいたい。
c,高等学校,盲ろう学校に産休補充教員を完全に配
置してもらいたい。
d,養護教員,事務職員の定数増を願いたい。
e,3・6・9延伸復元,日宿直料,特殊学校舎監手
当,旅費を増額されたい。
f,管理職手当及び校長海外派遣を取り止めるように
されたい。
7月11日 午前10時5分〜午前11時43分
場所 教育長宝
特に,教育委員が県教組と話し合いをするために行
なわれた。
a,春山小の調査について
b,中学校技術・家庭講習会について
c,この話合いをつづけるための今後の日程について
d,青年団体指導者講習会について
7月21日 午前9時20分〜午前11時55分
場所 教育委員会室
a,学校管理規則・処務規程を改正する気はないか。
答 目下のところその必要は認めていない。
b,小・中学校教育課程講習会出席について業務命令
は出たか。
答 当然の理由のない場合以外は出張命令だが,個々
にはそのときの判断による。
c,養護教諭,事務職員の兼務はどうか。
答 地域の要望から出たものである。兼務でも勤務時
間の割振りをよくするように指導している。
d,春山小についてはどう考えるか。
答 継続審議中である。
e,勤務評定の反省について
答 大筋はかわりない。事務的処理が便利になるよう
には考えたい。
以上の問題は当日の午後も教育委員と話し合いをつ
づけた。
7月31日
7月中旬より8月中旬まで行われた中学校教育課程
(技術・家庭科)講習会の実施に当って,会津若松会
場では,県教組による相当の妨害が行われ,警官の出
動を見るにいたった。
県教組から上記についての抗議書が提出された。
8月6日 午後2時30分〜午後4時
場所教育長室
要望事項を申し入れて帰った。
a,10月飯坂町において実施予定の文部省主催・東北
北海道ブロック中学校改定教育課程講習会を返上され
たい。
b,教職員スポーツ大会参加に無理のないよう指導さ
れたい。
c,養護教諭,事務職員の兼務につき善処されたい。
d,複式手当支給のわくを広げてもらいたい。
8月17日 午後1時より