教育年報1959年(S34)-023/121page
§ 3 教職員福利厚生
1 公立学校共済組合福島支部の現況と事業概要
公立学校共済組合は,国家公務員共済組合法に基いて
設立された特殊法人であって,公務員の病気負傷,出産
休業,災害,退職,廃疾若しくは死亡又はその被扶養者
の病気負傷,出産,死亡若くは災害に関し,適切な給付
を行い相互救済を目的とし,もって公務員及びその遺族
の生活安定と福祉の向上に寄与し,公務の能率的運営に
資することを主たる業務としている。
本県では事務局職員教育機関(図書館・教育調査研究
所)県立学校(高等学校・盲学校・ろう学校)市町村立
学校(小・中学校・幼稚園)県立大学(医科大学同附属
病院・会津短大)に勤務する教職員が組合員となって居
り,昭和34年3月末日に於ける組合員数は18,854名で被
扶養者数は30,194名である。事業の概要を昭和35年度決
算から見ると次の通りとなる。
A 短期給付
この給付は組合員及び被扶養者の医療,出産,保育,
死亡,休業及び罹災に対して行うもので年度内の支出給
付金は19,540万円,件数は223,400件で組合員1人当給
付額は10,364円となっている。
収入は組合員掛金10,446万円,県負担金10,460万円の
計20,906万円で1,366万円の黒字を示したが,県負担金
の10分の2の2,902万円の本部送金が運営規則で定めら
れているので支部としては726万円の赤字を示した。
なお,組合員1人当の掛金額は5,541円で給付額の53%
となっている。
B 長期給付
この給付は長期組合員(講師・助教諭・雇傭入)の退
職,廃疾又は死亡に際し組合員又はその遺族に対し年金
及一時金を給付する。
一時金は支部において給付するが年金は本部に於て給
付するため,県の負担金は全額本部に送金することに運
営規則で定めらてれいるので,支部で取扱う一時金の年
間支出は3,451万円で件数は712件,これに充当する組
合員掛金は1,093万円であるので2,358万円の赤字を示
し,本部より回金をうけた。
C 福祉事業
法98条によって組合員の福祉増進を図るため次の事業
を行っている。
a,
(1)海の家・山の家の開設
昭和34年7月1日より10月31日まで開設した。
場所は福島市土湯温泉岩城屋外13個所で利用券2,000枚
を発行し, 1枚に付200円を負担し,予算額400,000円
(2)へき地組合員に対する救急医薬品の配布
へき地に勤務する組合員は地理的条件のため共済組合
の恩典に浴すること少いので,昭和29年度より引続きへ
き地組合員に対し救急医薬品を無償配布した。配布組合
員数2,146名に対し1個600円の救急医薬品セットを配
布し,総額1,287,600円であった。
(3)スキー講習会の開催
組合員の初心者を対象として実施した。
期日 昭和35年1月23日より1月24日までの2日間。
場所 高湯・岳・沼尻各スキー場
講師 福大教授菊地哲男氏外5名
受講者数 114名
(4)レクリェーション大会の開催
16出張所単位に実施し,1出張所当り補助金として
14,300円より37,700円まで,総額32万円を交付した。
(5)教職員スポーツ大会の開催
共済組合設立10周年記念事業として橿島県教職員互助
会及び教育公務員弘済会福島県支部と共催の上,昭和34
年8月7・8の両日,福島市に於て開催し参加人員
1,318名で45万円を交付した。
b,貸付福祉事業
一般・住宅・災害の三種に分れ一般貸付は組合員が臨
時に資金を必要とする場合に貸付し,最高限度は3万円
である。
住宅貸付は組合員が住宅を新築,増築,改築,移築,
修理購入又は借入と敷地の購入と借人する場合に貸付し
最高限度は10万円である。
災害貸付は組合員が水震火災,その他非常災害を受け
たため資金を必要とする場合に貸付し最高限度は20万円
である。
昭和35年3月31日現在の貸付状況は下記の通りである。
職種 件数 金 額 一般 2,267件 33,100千円 住宅 1,758 54,995 災害 57 1,962 計 4,082 90,057
c、宿泊福祉事業