教育年報1959年(S34)-024/121page
信夫郡飯坂郡湯野に当支部管理の公立学校共済組合飯
坂保養所(吾妻荘)が全国63個所の施設の一つとしてあ
り,組合員及び家族の保養を目的としている。
宿泊収容定員60名(最大80名)と会議定員80名で17の
客室40の大広間と40名を定員とする洋式会議室の外,近
代的に改造し充分の湯量を昨年確保し竣功した浴室があ
り1泊2食付450円(外に入湯税20円)の低廉な料金で
11名の従業員が利用者に奉仕している。
なお,娯楽設備として,テレビ・電蓄・マージャン・
碁・将棋が完備している。
昭和33年度の利用状況は,
泊宿人員 10,084人
宿泊外人員 4,866人
計 14,950人 であった。
2 福島県教職員互助会の概況
福島県教職員互助会は昭年28年4月1日設立され,本
県教職員の相互共済及び福利増進を図る目的をもって発
足し,昭和34年度はその7年目に当る。昭和31年
「福島県職員の互助団体に関する条例」が制定され,同年10月
1日からはこの条例に定める「互助団体」と認められ
て法的裏付がなされたため,運営上多大の援助を教育委
員会から受けることができるようになり,又掛金が社会
保険として税額算定の基礎から控除される恩恵も受けら
れるようになった。しかし一方,県が赤字債権団体であ
る為,補助金のわくが自治庁でおさえられ,従って互助
会の交付額も著しく僅少で,運営上非常に困難を感じて
いたところへ,又々昭和33年10月からは医療点数の一部
改正の法律が施行され,医療費の支出額は前年同期の約
1.2倍となってしまった。こうして累積された赤字が約
890万,昭和34年度にひきつがれたのである。さて,こ
こで昭和34年度における互助会の概況を実績により記し
てみる。
A 現在加入している会員の主な所属所
教育委員会事務局,教育調査研究所,県立図書館,
公立学校共済組合福島支部,飯坂保養所,互助会事務局,
学校生活協同組合,教育会館,会津短大,各小学校,
中学校,高等学校,盲ろう学校,飯坂幼稚園,市町村支弁
用務員
B 会 員
◎福島県教育委員会所管に属
する職員
◎市町村立学校職員給与負担
法第一条で規定する職員
◎理事会で認めた者
で公立学校共済組合福島支部の組合員である者
上記の者が互助会員たる資格を有する。現在上記資格
を有する教職員の加入率は,約93%となっており,その
内訳を学校種別にみると下記のとおりである。
種別 会員数 未加入者数 比率 小学校 8,987名 704名 92.7% 中学校 4,361 224 95.1 高(盲)学校 3,083 339 90.0 その他 302 計 16,733 (昭35.3.1現在)
C 収入の主なるもの (単位千円)
掛金及入会金 54,597
県補助金 7,215
医療立替返納金 17,013
雑収入その他 497
借入金 1,000
計 80,322
掛金は(俸給+扶養手当)×1.25/100
入会金は200円である。
県補助金は教員総数の1人当り400円,前年度より
1人当り100円の増となっている。
D 支出の主なるもの
1,家族医療費 60,497千円
年々増加率が10%以上という状況で,会員の生活安定
のうえに相当大きな比重を占めている。しかし,支出の
増大は収支の伴わない限り不健全な運営となるのであっ
て,互助会も現在この収支相伴わない不健全な状態に陥
っている。このため昭和35年8月から,初診料の自己負
担ということで自らの力で少しでも互助会の運営が好転
するよう努力してきた。現在の家族医療費の支給額を式
で示すと, (共済組合支給額−入院食費−初診料)×
8/10となる。
2,結婚祝金 6,072千円
家族医療費に次いで支出の大いのは結婚祝金である。
34年度は,皇太子の御結婚にあやかってか,前年に比し
21件の増となっている。昭和34年4月1日以降の新採用
者については,採用と同時に入会しなければ結婚祝金は
支給されない。
結婚祝金の額 初回 8,000円
次回 4,000円
3 退職金 3,227千円
会員年数が1年ずつふえるので給付額も年々上昇して
いる。
退職金の額 給料月額×1/10×会員年数
4,出産見舞金 1,525千円
昭和34年4月1日以降,共稼会員のいづれもへ支給さ
れるようになったため前年比16%増となっている。
出産見舞金の額 会員 1,500円