教育年報1959年(S34)-027/121page

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つつあること,一つの進歩である。

3,へき地と平地の交流は,全県的に歩調をそろええて

実施したため,昨年度を上廻る数になり,へき地勤務者

に布望を与えた。

4,他県との交流について,相当数実現をみたことは,

関係各県との緊密なる連絡のたまものであった。

B 高等学校

a,年度末人事異動の概要

 昭和34年度末の人事異動に当っては,県下全域にわた

り,教育の向上と刷新充実をはかるべく,教職員の適正

配置に努めた次第であるが,通信教育,盲学校,ろう学

校,市町村立高校を除いた高等学校の一般教員の増は,

わづかに4名にすぎず,定時制の廃止,又は募集停止等

による過員と,主として工業関係の新設,学年進行増,

臨時増募等による教員増とが,教科科目があわないた

め,この調整には,もっとも苦労したところであり,過

員の解消が年度末人事の中心課題となった次第である

が,幸にして学校長各位のご協力によって,過員を最少

限に止め得たことは幸なことであった。

 次に過員の解消とともに,特に力をいれた点をみる

と,次のような項目をあげることができる。

 (1)教科上の不均衡の是正

 (2)全日制と定時制との交流

 (3)僻地勤務教員の平地転出

 (4)遠距離通勤者の解消

 (5)療休補充者の教諭採用

 (6)中学校現職者の高校への採用

 (7)優秀な新卒者の採用

 (8)退職年令の引上げ

b,交流について

(1)教科上の不均衡の是正と全定交流,

 過員の解消とあわせて,教科上の不均衡の是正につと

めたが,過員の解消が重点となったため,不均衡の是正

は十分ではなかったことは遺憾であった。

 全日制と定時制との交流は,部分的にではあるが,相

当数実施することが出来た。

(2)僻地勤務教員の平地転出と,遠距離通勤者の解消。

 僻地校への教員の配置は毎年度末苦心するところであ

るが,永年僻地の教育のために尽力した教員を優先的に

平地の学校に転出せしめて,僻地校勤務者に希望をもた

せ,僻地校へ優秀な教員がよろこんで赴任するよう考慮

した。

 また,家庭の事情で遠距離通勤を余儀なくされている

ものに対しては,極力異動につとめ,落ついて教育のた

め精進できるようにはからった。

(3)療休補充者の教諭採用

 療休者の復職が相当数あり,補充として採用していた

教員の多数を退職させなければならないのであるが,こ

れらの補充教員はいずれも本県の採用試験によって選抜

された優秀なものであるから,優先的に他の学校の欠員

補充に採用し,療休者が復職しない場合でも,補充者を

他の学校に異動して教諭に任用替するようにつとめ,補

充教員全員を教諭に任用することが出来た。

c,新採用について

(1)中学校現職者の高校への採用

 中学校現職者の高校への転出希望者の数は相当多く,

又中学校教育の体験者が高校教育に携わることは,教育

技術面等好ましい結果をもたらす点も多いのであるが,

高等学校の場合,各科ともせいぜい4,5名の採用が出

来る程度であり,優秀な新卒者も若干名は採用したい

し,高等学校長の要望等もあり,原則として,専門科目

だけについては試験をするとか,何らかの選抜の方法を

考慮する必要があると思われる。

 34年度末においては,採用試験を受けた者の中に,適

任者が得られなかった工業関係,理数科関係において中

学校現職者の中から10名ほどの採用があった。

(2)大学新卒者及び一般からの採用

 小・中学校と同様,筆答試験を実施し,面接を行い,優

秀なものを選こう採用した。勧しょう退職,自然退職あ

わせて50名余の退職者があったので,約50名の優秀な教

員を新採用出来たことは,よろこぶべきことであった。

(3)校長の新採用について

 飯坂,船引両校の独立もあり,部長教頭から6名の校

長新採用が出来たことはよろこばしい次第である。

d,退職について

 退職年令の引上げについては,少しづつではあるが,

実現を見ているところである。多数の優秀な大学卒業者

が,教員採用試験を受け,採用を待っている現状から,

ある程度の更新はやむをえないことであり,今年度末も

20名余の相当年令に達した方々にご勇退を願った次第で

ある。

 2 研修態勢の強化と学力の向上

 文部省は従前の小・中・高校教育課程を検討し,教育

課程審議会の答申に基づき,その改訂に着手,31年度に

高校,33年度に小・中学校の教育課程を改め,学習指導

要領を作成した。更に小・中・高の一貫性をはかって35

年度中に高校の教育課程の第二次改訂を行なおうとして

いる。こうして系統的な学習指導法を確立して,戦後低

下したといわれる児童生徒の学力を向上し,あわせて道

徳教育を振興するため,小学校は36年度から,中学校は

37年度から,高校は38年度から新しい教育に転換するこ

とになった。とりわけ,児童生徒の学力が全国水準より

も低位置にある本県小・中・高校の教育効果を高め,学

力の向上をはかることは焦眉の急を要するので,本年度

は特に教育課程の研究に重点をおき,研修態勢を強化し

て移行準備期における学習指導法の改善と徹底に努力し

た。とりわけ,飯坂温泉若喜旅館を会場として実施され

た中学校教育課程北海道東北地区研究協議会は,教組等


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