教育年報1959年(S34)-026/121page

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§4 学校教育

 1 教職員の人事

A 小中学校

a,年度末人事異動の概要

 昭和34年度人事異動に当っては,市町村教育委員会を

はじめ関係各方面の協力のもとに,県下全域にわたり教

育の向上と刷新充実をはかるため,教職員の適正配置に

努力を傾けた次第である。

 その内容の主なるものをあげると,

1,異動件数は,小・中学校合わせて約3,600件に上っ

たが,教育行政上の効果を重視し,必要最少限度にとど

めるよう努力した次第である。

2,小学校児童数の自然減にともなう小学校教員の定数

減により,小学校教員223名が中学校に配置替えを余儀

なくされたが,これが実施については,学校運営に支障

をきたさぬよう充分配慮した次第である。

3,都市と農村,へき地と平地との交流につとめ,その

数は680件に達し前年度を上廻り,また,永年勤続者に

ついても930名の交流を行い,各校における教職員組織

の適正化をはかった次第である。

4,新採用については,中学校生徒の自然増にともなう

341名の教員定数増の実現により,小・中学校教員490

名の多数を採用することができ,教育界に清新の気を吹

きこんだものと考えております。

5,年度末退職された方々の数は,校長を含め194名で

あるが,これらの方々が多年にわたり本県教有界に貢献

された御功績に対し,深甚なる敬意と感謝を捧げる次第

である。

 なお退職年令が若干延長されたことは喜ばしいことで

ある。

b,教員の新採用について

 今年度本県教員採用志願者数は,小学校381名,中学

校917名に達した。

 採用に当っては,

 前年度同様,筆答試験,第一次,第二次面接,身体的

諸条件の審査を実施し,真に有能適格者を得るよう努力

した次第である。

 特に今年度においては,人物の厳選に相当努力を傾け

た次第であり,志願者全員に一般教養,教職教養,専門

教科について教職員に必要な全領域について試問し,そ

の結果により人物,健康等について面接選こうし,優秀

な者を選出した次第である。

 なお,小学校教員志願者に対しては,全員にピアノの

実技審査を課したことは本年の特色の一つである。

 新採用者の配置については,県下全域の教員組織の均

等と,将来の広域人事の円滑を期する観点から,出身郡

外の地域に採用するとともに,都市,農村,へき地と全

域にわたり配置したところである。

 しかしながら,各市町村教育委員会全般の傾向として

は,男子新卒者を優先的に採用するために,女子新卒者

の優秀者が,未採用になることは,今後の研究課題である。

 また,前年度補充教員として相当期間教職経験を有す

る者を, 優先的に採用したことは,喜ばしいことである。

c,校長の新採用について

 本年度の校長採用志願者数は418名で,前年度に比し

20名の増となっている。新校長として抜てき任命された

ものは,小学校42名,中学校11名で前年より4名の増で

ある。

 なお,婦人校長1名の新任をみたことは,本県教育界

に明朗なる気分を与えたものと思う。

 校長の新採用にあたっては,資格,人物,実務,家庭

環境について綿密に選こうし,有能者を抜てきするとい

う方針のもとに,勤務校所在地に居住し,校長職に専念

できることを第一義とし, なるべく他管内にあっせん

し,県下全域にわたって教育の能率向上と刷新充実を図

るよう努めた。

 選こうにあたっては,校長採用志願者全員に対し,各

管内ごと,同一問題により,同一時刻に一斉に筆答試問

を行い,有能適格者の選こう抜てきに務めた。

 筆答試問の内容は,校長としての適格性と,学校経営

上の基本的な問題を課し,校長職としての理解と判断,

能力を評価することに努めた次第である。

d,教頭の命免について

 教頭の人事については,その職務の重要性にかんが

み,校長人事と同様慎重を期した次第である。

 特に本年度は,年度末に県下の全教頭を解任し,有能

適格者に対し,新たな教頭を命じ,県下全域にわたろ教

育の向上と刷新充実に努力した次第である。

e,交流について

 校長の交流については,校長職の重要性を特に考慮

し,全県的立場から適材を適所に配置すべく,広域にわ

たって行うよう努力したところである。

 教頭については,都市と農村,へき地と平地,学校種

別間および他管内との交流を推進し教育能率の増大を図

るべく努力した次第である。

 交流についてかえりみると

 1,異動希望が,都市に集中することは一考を要する。

 2,他管内との交流において,一対一の交流が打破され


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