教育年報1959年(S34)-029/121page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

各学校,市町村教育委員会等に対しては,次のような資

料を提供して,本県学校教育上の問題点とその対策を示

し,学校管理,運営および学習指導法の改善による学力

向上につとめた。

a,校長・教頭の管理指導の強化と諸行事調整による指

 導時間の確保

 (1)校長・教頭の教職員への指導助言の活発化

 (2)教員組織の適正化

 (3)事務分掌の能率化と責任分担の明確化

 (4)校内外の整とんと美化

 (5)特別施設の年次計画による充実

 (6)諸表簿と改善と活用

 (7)計画的な指導時数の確保

 (8)諸行事の調整と効果的な実施

b,へき地教育・特殊教育の充実

 (2)複式教育課程および施設設備の年次計画による充実

 (3)特殊教育の振興と一般へのPR

c,中学校の整備と改善

 (1)改訂教育課程の実施に必要な施設設備の充実

 (2)教科,学級担任の組織の合理化

 (3)進路特性に応ずる指導の適正化

 (4)情操的な環境構成

d,定通教育の改善

 (1)定時制教育諸条件の整備充実

 (2)夜間高校の設備の改善

 (3)農村分校の効果的な運営

 (4)通信教育の改善と普及化

 (5)地域・職場の共同学習の奨励

e,基礎学力の向上

 (1)学力の実態調査に基づく指導法の研究

 (2)基準問題による指導対策の確立

f,科学技術教育の振興

 (1)担当教員の現職教育による資質の向上

 (2)実験・観察・実習のための物的環境の整備充実

 (3)教科内容の刷新改善

g,小・中学校移行措置の実施

 (1)移行措置通達の趣旨の徹底

 (2)移行に関する具体的内容についての研究

 (3)文部省指導書の研究

h,中・高校学習指導法の改善

 (1)指導案作成の奨励

 (2)講義法の効果的活用

 (3)教具教材の効果的な利用のくふう

 (4)授業における生徒管理の徹底(5)教科担任と学級(

  H・R)担任の緊密な連けい

C 研修態勢の強化

 教職員の資質を高め,指導力を強化して児童生徒の学

力の向上を期するため,免許法認定講習のほか,助教諭

講習会,へき地教員研修会等の研修の機会を設け,小・

中学校教育課程研究協議会,技術・家庭研究協議会,理

科実験講座等の文部省の研究協議会と共に,夏休み,冬

休みと利用し,大幅な研修を行なった。

a,免許法認定講習

 免許法認定講習は,教育職員免許法に基づき,教育職

員免許状の授与を受けるために必要な単位の一部を附与

するために,県教育委員会が例年実施しているものである。

 本年度免許法認定講習の開設に当っては,

 1,昭和34年5月1日現在の「現職教育に関する調査」

により教諭2級普通免許状の授与を受けようとする者の

今後修得を必要とする単位数が約1万5干単位であるこ

とが判明したので,これ等臨時免許状及び仮免許状の所

持者を優先的に受講せしめ,これ等の者の資格の向上と

併せて資質の向上を図るべく計画した。

2,開設する科目については,1)免許法認定通信教育,

単位修得試験等において修得が困難な科目を優先した。

2)「現職教育に関する調査」に表われた教科毎の不足単

位数に応じて配分するように考慮した。3)近年における

免許法認定講習の開設科目を勘案して科目を配分した。

4)養護教諭仮免許状の有効期限が昭和35年3月31日まで

であることにかんがみ,養護に関する専門科目について

も講座を設けた。

 上記の点について特に留意し,種々検討した結果,別

表のとおり開設実施した次第である。

 実施の結果は,受講者の数において低調であったとい

わざるを得ない。今後の免許法認定講習計画に当って

は,この原因を充分に検討し,適切なる途を講じなけれ

ばならない。

 受講者の少なかったことは,年々臨時許免状及び仮免

許状の所持者が減少していることにもよるが,更に教諭

2級普通免許状の授与を受けるべく努力しなければなら

ない立場にある者で,当講習を受講しなかった者が相当

数あることを表わしている。これ等の免許状には有効期

限が附されており,免許法の精神にてらしても教員は教

諭普通免許状を所持することが原則となっているのでよ

り真剣に身分の安定と資質の向上に努力する心構えが必

要と思われる。

 昭和34年度免許法認定講習実施状況

会場地 開  設  科  目 単位数
福島市 社会科学(地理学) 39
自然科学(地学) 30
国文学 52
美術理論及び美術史 62
物理学 19
教育原理 33
郡山市 解析学 27
化学 38
声学 46
絵画 43
倫理学 51
栄養学 74
国語科 教材研究・教育法 46


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。