教育年報1959年(S34)-067/121page
C 文化財の調査
(1)指定調査
指定申請のあったもの,指定価値があると見なされる
ものについては,文化財専門委員,事務局職員によって
調査されるが,本年度の調査を了した主なものは次のと
おり。
主なる文化財の調査
調査対象 種別 調査者 年月日 二本松岩代の芸能調査 無 山口 4, 9 相馬市氏家閉存旧宅 史 渡部,赤津 4,30 双葉郡化石出土地 天 三本杉 〃 古殿町西光寺仏像 彫 新城,菊地 5, 1 白河市関平古瓦出土地 史 岩越 5,14 石川地方芸能 無 山口 5,22 湖南村植物 天 吉岡 5,30 入水鍾乳洞 天 三本杉 8, 2 喜多方福聚寺仏像 彫 菊地
(2)古建造物特別調査
県下の未指定建造物については33年12月4日から8日
まで会津地方の調査を行ったが,これに引き続き,34年
5月15日から19日まで第二次会津調査を行い,さらに6
月25日から29日まで浜通り,中通りの第三次調査を行
った。
調査員は第一次のとおり,次の二氏である。
文部技官 伊藤延男
同調査員(東大教授・工博) 太田博太郎
県社会教育主事 梅宮茂
第二次会津地方古建築調査(5月15日〜19日)
名 称 所在地 様 式 時 代 勝福寺観音堂 喜多方市関柴町勝 唐様 室町末期 古四王神社本殿 同 和唐折衷 室町末期 熊野神社拝殿 同 慶徳新宮 和様 藤原末,鎌倉初 同 本殿 同 唐様 室町末期 如法寺観音堂 耶麻郡西会津町野沢 (江戸) 江戸中期 出原観音堂 同 出原 唐様 室町末期 成法寺観音堂 南会津郡只見町梁取 唐様 室町末期
第三次古建築調査(中通,浜通り) 6月25〜29日
名 称 所 在 地 様 式 時 代 住吉神社本殿 磐城市住吉 桃山 寛永18年 禅長寺仏殿 同 林城 (江戸) 江戸中期 飯野八幡宮本殿 平市飯野 桃山 元和9年 光大寺薬師堂 田村郡船引町芦沢 (江戸) 江戸初期 真照寺大日堂 田村郡三春町 (江戸) 江戸中期 開成館 郡山市開成山 洋風 明治8年 川辺八幡宮本殿 石川郡玉川村川辺 (江戸) 江戸中期 薬王寺厨子 石川郡石川町 (江戸) 江戸中期 西光寺阿弥陀堂 東白川郡古殿村田口 唐様 室町末期 黒田不動堂 石城郡田人村黒田 (江戸) 江戸初―中期
以上の未指定建造物中,中沢観音堂弘安寺弁天堂法用
寺厨子の三件については,昭和35年2月22日より26日の
間,文部技官内山哲氏の調査が行われた。
(3)指定並びに修理等の特別調査重要美術品の格上げ指
定並びに修理等の設計のために文化財保護委員会関係
技官による調査が行われたものは次のとおり。
○指定・修理設計等の特別調査
月 日 調査対象 調査員 内 容 6月29日 安達太良山八重白山石南 文部技官 吉川需 指定調査 7月4日 吾妻山八重白山石南
雄国沼7月23日
〜25日平市如来寺阿弥陀画像
四倉町薬王寺画像文部技官 鈴太啓
国立博物館 山田秀吉修理設計 8月10日
〜11日白河市白河関 文部技官 黒板昌夫 指定調査 8月12日
〜16日会津高田町 伊佐須美神社神輿
(同法憧寺,法用寺)
会津坂下町 心清水八播宮 鰐口
同 高久氏 笈
喜多方市新宮熊野神社銅鉢
(平林福聚寺,東山羽黒山)
磐梯村恵日寺 銅製三鈷
飯坂町医王寺 笈文部技官 立田三朗 修理調査 指定調査