教育年報1959年(S34)-088/121page

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§ 7  福島県教育調査研究所

 教育調査研究所の目的とするところは,本県教育の進

歩改善に必要な諸問題を調査研究し,本県教育の進展

に寄与するところにあるが,教育の各領域にわたる調査

と研究の結果は,広く県下に報告書その他の刊行物とし

て一般の利用に供してきた。

 また付属施設としての教育図書館をもち,教育に関係

ある図書,各府県における研究紀要等,数多くの資料を

教育関係者および大学学生を対象として貸出している。

 このほか,県教育委員会の機関誌としての月報の編集

刊行,年次報告としての年報の編集刊行にも当ってきた。

  1 調査統計

 昭和34年度における,調査統計担当者は,主事4名,

雇1名である。

本年度に実施された事業は,

(1)国が統計法に基いて行う教育関係の諸調査。

(2)文部省が,毎年定期的に行う諸調査および,その年

度に特に必要とする資料を得るための調査。

(3)県教育委員会が,教育行政の資料を得るために実施

した調査。

に区分きれる。

 統計法による指定統計のうち、一部の調査(学校基本調

査・学校教員調査等)については,従来どおり県統計課

に協力して,実態の把握に努め,これらの結果を県教育

行政の資料として活用を計った。

 当所が関係し,又は実施した調査の結果は,別項のと

おりで,「報告書」および「資料」として刊行し,教育

行政施策の資料として,一般の利用に供した。

A 父兄負担の教育費調査

 文部省が継続して行っている調査である。本県におい

ても,義務教育に伴う教育費の父兄負担過重が問題とな

っている実情から,文部省と共同で,この調査を行うこ

とにしたものである。

 調査の目的は上記の見地から,父兄の側からみた,父

兄が個人的に負担している教育費の全ぼうを明らかにす

ることによって,

(1)父兄が負担する教育費を軽減する施策の資料とする。

(2)教育扶助および,育英資金の合理的な算定に必要な

資料とする。

(3)家計における,教育費の計画的支出に役立つよう,

一般参考資料を提供する。

ことにある。

 調査対象校の選定には,農村,山村,市街地域等の地

域類型の中から,一定数が指定され,その学校の各学年

から,5人を選定,「学資の手帳」に支出の実態を記入

することになっている。

 学校種別の対象校数は,小・中学校が各8校,盲ろう

学校(小・中学部)各1校,全日・定時制高等学校各4

校である。

 調査結果は,調査期間が学校年度であるため,昭和35

年度に入って公表されることになる。

B 地方教育費の調査(教育行財政調査)

 この調査は,昭和24会計年度から,文部省と県教育委

員会が共同で,毎年継続して実施しているものである。

 調査の目的は,教育財政政策樹立のため,教育費の使

途と負担の関係を明らかにして,その実態をは握し,合

理的な教育費算定の基準を作成する資料とすることである。

 調査の対象は全公立学校と,県および地方教育委員会

である。

 調査結果の一部は,地方教育委員会の予算資料とし

て,“市町村教育予算編成のために”と題した「資料第

27号」を刊行,次いで教育費の財源,使途などに若干

の分析と,結果からみた解説ならびに一部年次推移を付

した報告書「教育費の実態」を刊行教育行政の資料とした。

C 長期欠席児童・生徒調査

 文部省が継続して実施している調査の一つである。

 義務教育における長期欠席の児童・生徒の実態と・生

活環境をは握し,就学奨励,不良化防止等のための資料

を得ることがこの調査の目的である。

 調査対象は,年度間通算して50日以上欠席した者で,

これらのものについて

(1)欠席の理由(本人および家庭によるものの区分)

(2)欠席者の状態(疾病異常者・仕事の状態・なまけの

区分)

(3)父母との関係(父母の状態・父母との同居の状態・

保護者の住所の区分)

(4)保護者の職業別

(5)扶助・援助受給の状態(生活保護・教科書給食費・

地方自治体・PTA・その他の援助の区分)

の実態を,連続又は継続および産業人口型別区分で調査

された。

 この結果は,概況構成比を付して,「資料第28号」で

公表した。


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