教育年報1959年(S34)-101/121page

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予算に関する解説

  ―特に図書費と人口,および職員と人口,

           この二つの関係について―

(1)県民一人あたりの図書費は,北海道の25銭を最低と

して,愛知の3円67銭にいたるまで,非常にマチマチで

ある。

(2)県民一人あたりの図書費が,1円を下まわるところ

は,次の15県である。

 北海道,岩手,宮城,秋田,福島,千葉,富山,

静岡,新潟,兵庫,島根,和歌山,広島,愛媛,福岡

(3)次に館員一人が受持つと思われる人口について見る

と, ブックモビールだけを動かしている兵庫が27万

9,000人で最も恵まれず,もし兵庫を例外とすると,北

海道が21万4,000人で,これに次いでいる。

(4)最も恵まれていると思われているところは,鳥取の

1万8,000人である。それにしても学校教育施設に比較

すると天地の差がある。

(5)館員一人あたり10万人を越すところは,上記の兵

庫,北海道のほか,次の3県がある。

  広島 17万3,000人

  福岡 15万8,000人

  三重 10万2,000人

(6)図書館費の全体について分析できなかったことは、

まことに残念である。

 第一には視聴覚教育費がはっきりせず,第二には人件

費がつかめず,結局どうにもならなかった。

 この次の調査では,以上の二点を明かにすることと,

もう一つは視聴覚教育のどういう分野を社会教育課が担

当し,図書館では視聴覚教育のどういう分野を担当して

いるかを明確にする必要がある。

 まだこういう点が未分化の状態にあること自体がやは

り今日のわが国の社会教育が停滞する一つの原因にもな

るであろう。

 (2)の職員については,特に司書の格付についてごらん

願いたい。

司書の格付

 イ 三等級…1府県

   三等級から五等級まで…2府県

 ロ 四等級…7府県

   四等級から五等級まで…9府県

   四等級から六等級まで…1府県

 ハ 五等級…15府県

   五等級から六等級まで…4府県

 二 司書のいないところ…7府県

 (3)のブックモビールについては,県に1台あるほか,

是非大きな市町村には購入していただきたいものである。


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