教育年報1959年(S34)-120/121page
断してこれを記号化して行く。これを分類の決定と呼
ぶ。いいかえれば〜1冊の図書の呼出番号といったもの
である。目録の作成,分類の決定,この二つの作業は一
見簡単に思われるが,これには複雑,尾大な規則が定め
られていて,専門的に習熟した知識を要求される。
e,ブックカード,ブックポケット,ラベルの貼付
ブックカード,ブックポケットは図書の館外貸出事務
に必要なものである。
以上のような作業を経て,1冊の図書ははじめて書架
に排列され,閲覧者の利用に供されるわけである。
A 図書館資料の収集
a,毎月定期的に図書選定委員会を開き,主として貸出
文庫用(分館,移動図書館,青少年巡回文庫)の図書を
選定した。
b,本館備えつけの図書は,文献や参考図書の基本図書
に重点をおき,本年度は社会科学部門の充実につとめ
た。
c,本年度,1年間に増加した図書は新聞,雑誌,小冊子
等を除いて5,716冊でその内訳は別表の通りである。
d,年度当初に地方行政資料の収集を計画し,県および
地方自治団体の出版物の収集につとめ,県の協力によっ
て本年度は422種1,872冊の資料が集められた。
B 分類・目録
a,収集された資料の整理は,蔵書目録の作業と並行し
て行われるため, 図書が受入れから閲覧に供されるま
で,長い日時を要したこともあったが,分類係の増員と
目録係の強化によって仕事の能率が高められ,速かに閲
覧に供されるようになった。
b,目録の種類は,事務用として書架目録,著者目録,
閲覧用として著者目録,書名目録,分類目録を作成し,
1冊の図書について5枚乃至10枚位のカードが作られる
が,従来は手書きで作製していたものを,年度初めに謄
写印刷によるユニットカードを採用して事務の能率化を
はかった。
C 蔵書目録の作製
昭和28年に全蔵書の冊子目録の作製を計画し,旧蔵書
の再整理をはじめた。年次計画で整理の終った部門から
蔵書目録を刊行,まず30年3月に郷土資料篇,31年3月
には総記,哲学篇,33年3月には歴史篇,本年度におい
ては,社会科科学部門9,500冊の整理を行って,35年2
月に第4冊目として社会科学篇を刊行した。これらの目
録は,県内の各市町村教育委員会を通して公民館に,ま
た主なる高等学校,大学図書館,公共図書館に配布し
た。この蔵書目録の刊行によって,図書の利用価値が高
められ,利用者に多大の便益を与えているとともに,図
書館間の相互貸借や,文献の所在が明らかになって調
査,研究に役立てられている。
D 整 本
図書利用の頻度が高まるにつれて破損図書も多く,ま
た,新聞・雑誌等を合本して保存するために整本を行っ
ている。旧館舎時代には保存の条件が悪く,郷土資料や
和書の旧蔵書が相当いたんでいるため,本年度よりそれ
らの整本をはじめた。本年度中に整本されたものは,図
書1,878冊,新聞246冊,雑誌その他2,095冊,総計
4,219冊となっている。
従来整本されたものに統一を欠いたり事務的に一貫性
がなかったので,整本の統一と円滑化をはかり,仕事
を合理的に処理するために年度当初より伝票制を採用し
た。
昭和34年度年間増加冊数調
昭和35年3月31日現在
購入 寄贈 編入 計 総 記 110 68 51 229 哲 学 37 15 1 53 歴 史 187 60 4 251 社会科学 359 186 77 622 自然科学 55 21 16 92 工学・工業 54 61 3 118 産 業 49 92 17 158 芸 術 90 29 119 語 学 107 2 109 文 学 246 29 13 288 小計(本館一般) 1,294 563 182 2,039 児童図書 179 179 貸出文庫 3,387 111 5,498 計 4,860 674 182 5,716