教育年報1960年(S35)-000-02/135page
序
教育委員会の努力目標として昭和35年度に教育の正常化を提唱して以来3年目を迎えた次第であ
るが,幸いに教育関係者と現場教師の方々の共感を得,その実績のみるべきものがあったのは,ま
ことに慶賀にたえない。
35年度の年間を通じ,教育を阻害するような特別の事件もなく,教育の本務である児童生徒の学
力向上のため,またはその生活指導のため教育機関の能力の大部分を注入し得たことは,教育関係
者の努力と現場諸教師の良識がもたらした効果であることを深く想い感謝にたえない次第である。
教育の効果は一朝一夕にして期待し得る性質のものでないから現下直ちに掌を指すようなわけに
は参らないであろうが,このような正常なる努力が年毎に累積されていくならば,本県教育の幾つ
かの課題も遠からず解決するのではないかと明るい期待を持ち得たように思う。
今日昭和35年度の「教育年報」を刊行する運びとなったが,これは年度内における本県教育行政
の軌跡ともいうべきもので,過去を振りかえり未来への計画と躍進のために欠くことのできない資
料といってよい。
この実績の上に更に一段の向上発展を累加されることを衷心より祈り,大方のご利用をお願いす
る次第である。
昭和36年6月
教育長 佐藤光