教育年報1960年(S35)-023/135page
§3 教職員福利厚生
1 公立学校共済組合福島支部
の事業概要
公立学校共済組合は組合員及びその遺族の生活の安
定,福祉の増進を図るため相互救済事業を行い,公務の
能率的な運営に資する目的で設立された特殊法人であ
る。組合の本部は文部省内に,支部は各都道府県教育委
員会事務局内に置き,それぞれ次の業務を行っておる。
◎ 組合員及びその被扶養者の病気,負傷,出産,死
亡,休業若しくは災害に関する短期給付
◎ 組合員の退職,廃疾,及び死亡に関する長期給付
◎ 組合員の福祉の増進に資するための福祉事業
なおこの外関係法令の改正により35年4月1日に遡及
して短期給付にあわせて,附加給付を実施しておる。
組合員は県教育委員会事務局,その所管に属する教育
機関(図書館,調査研究所)及び公立学校(幼稚園,小
・中学校,高校,盲ろう学校,養護学校,医科大学,同
附属病院,会津短大)に所属する職員が組合員となって
おり,昭和36年2月末日現在組合員数は19,178名,組合
員の被扶養者は30,807名である。以下昭和35年度におけ
る給付業務及び福祉事業の概要は次のとおりである。
1,短期給付
この業務は,組合員及び被扶養者の医療・出産・保育
死亡,休業及び罹災に対し給付するもので,年間給付額
は230,000千円,組合員1人当の給付額は12,100円とな
っておる。
区分 法定給付 附加給付 計 件数 金額 件数 金額 千円 千円 千円 保健給付 医療費 237,601 196,679 676 2,351 199,030 出産費 655 10,734 335 338 11,072 配偶者出産費 779 6,848 468 2,345 9,193 育児手当金 6,586 2,634 3,333 1,333 3,967 埋葬料 27 679 13 52 731 家族埋葬料 213 2,674 132 792 3,466 休業給付 75 1,272 1,272 災害給付 21 1,174 1,174 計 245,957 222,694 4,957 7,211 229,905 この給付の財源は組合員掛金132,607千円県負担金1
32,720千円,計265,327千円のうち29,324千円(掛金負
担金の5%及び県負担金の20%相当)を本部送金した残
236,003干円を充てる。なお,組合員1人当の年間掛金
は6,979円で1人当給付額に対し57%となっておる。
2,長期給付
この給付は長期組合員(講師,助教諭,雇,傭人)の
退職,廃疾又は死亡に対し組合員又はその遺族に給付す
る年金及び一時金である。
支部においては運営規則により一時金の決定支払を行
うことになっており年金は本部において給付する。
年間給付額は退職一時金22,307千円(304件)
遺族一時金 163千円(1件)
計 22,470千円となっておる。
この給付の財源は組合員掛金10,285千円を充てること
になるので12,185千円の赤字となり本部より送金をうけ
た。なお,県負担金は16,172千円であるが,これは本部
において年金の給付を行う関係上全額本部へ送金してお
る。
3,福祉事業
以上の給付業務の外に組合員の福祉の増進を図るため
次のとおり各種の保健福祉事業・組合員に対する資金の
貸付及び保養所の経営を行っておる。この事業の財源は
短期経理(短期の組合員掛金,県負担金のうちから本部
に送金した額相当)から福祉財源に繰入れられた資金を
本部から回送される。
(1)保健福祉事業
ア,レクリェーション大会
1出張所当平均20千円計320千円の補助金を交付し
各出張所単位に運動会及び各種球技大会を実施した。
イ,海の家・山の家の開設
35年7月〜9月の3ヵ月間,県内の旅館14カ所(県
北3,県南2,会津3,石城3,相双3)と契約して
海山の家を開設した。この海山の家を利用する組合員
に対し利用券を発行し1枚に付200円を負担した。
利用券使用件数は1,351枚で負担額は270千円である。