教育年報1960年(S35)-028/135page
開設会場の設定に当っては,従来のブロック毎にほぼ
均等の講座数を配分していたのを廃し,全県的にみて交
通の便利な郡山会場を主会場として,ここに約半数の講
座を開講した。
実施の結果は,昨年の実績をはるかに上廻るものがあ
った。これは,計画がほぼ適切であったものと思料され
る。然し,免許法上の単位修得の方法が大きく改変する
時期が迫っていたことも大きな原因であり,この原因が
解消する来年度における本講習の計画に当っては,いっ
そうの研究が必要である。
本講習における受講者の態度は,数年前とは比較にな
らぬ程真剣なものがあり,上級免許状取得に対する意欲
がそのまま表われているとみてよい,又本講習が単に単
位の附与を目的とするにとどまらず貴重な研修の場であ
ることを考えるときに,この真剣な態度は,研修の成果
を期待し得てまことに喜こばしいことである。
最後にこの講習を受講すべき必要のある者で受講しな
かった者も少なくないように思われる。これは自己の便
宜によるものもあろうが,学校行事その他の事由による
ものもあると思われるので,各学校長にあっては,職員
の資格と資質の向上のために,この講習のみにとどまら
ず通信教育,単位修得試験等の研修の機会に特段の配慮
をされるよう希望する次第である。
昭和35年度免許法認定講習実施状況
会場地 開 設 科 目 単位数 福島市 経済学 72 幾何学 25 生物学 63 理科 教材研究・教育法 66 体育科 〃 〃 82 図画・工作科〃 〃 94 郡山市 漢文学 99 外国史 86 解析学 44 運動生理学 98 栄養学 96 英文学 20 地学 93 器学 51 調塑 55 国語科 教材研究・教育法 40 社会科 〃 〃 42 算数・数学科 〃 〃 39 家庭科 〃 〃 30 理科 〃 〃 31 音楽科 〃 〃 85 図画・工作科 〃 〃 80 体育科 〃 〃 82 英語科教育法 21 農業科 〃 25 工業科 〃 17 道徳教育の研究 88 学校保健 41 会津若松市 国語学 85 絵画 62 教育心理学 81 国語科 教材研究・教育法 80 家庭科 〃 〃 20 音楽科 〃 〃 57
平市 家族関係 60 体育実技 70 声学 44 教育原理 86 社会科教材研究・教育法 60 算数・数学科〃 〃 47 b,新採用教員等講習
従来助教諭を対象とする現職教育を行なって来たが,
今年度は助教諭の受講該当者が減小したので,今年初め
て教だんに立った経験の浅い新採用教員を対象とする講
習を下記のように計画し,指導授業による指導技術の研
究,教員勤務の心得や教育法規等の講義,研究討議など
管内の事情に応ずる研修を実施した。
開催地 参加範囲 人員 会期 二本松 県北地区 50 6.18〜19 郡山 安積全域 60 7.2〜3 福島 湖南方部 40 6.25〜26 白河 西白・知川 50 8.11〜12 棚倉 東白・石川 120 6.5〜6 船引 田村管内 46 7.22〜23 田島 南会管内 38 7.1〜2 喜多方 耶麻・北会 60 6.24〜25 坂下 両沼管内 40 7.27〜28 平 石城管内 100 7.21〜22 原町 相双地区 80 6.25〜26 c,校長研修会
1)目 的
小・中学校長に対し,学校管理,教職員の指導監督等
について研修を行ない,教育水準の向上に資する。
2)主 催 文部省,福島県教育委員会
3)期 日・会場・参加範囲
◎昭和36年1月16日,郡山市公民館,県県南6出張所
管内小・中学校長約300名
◎昭和36年1月17日,平市立平第一小学校,石城・
双葉管内小・中学校長約150名
4)講師及び演題
◎管理問題の研究
文部省視学官長田足穂氏
◎指導的立場における自信の問題
東京都教育委員長 木下一雄氏
◎文部省校長研修会報告
郡山会場 日和田中学校長 神野忠雄氏
平会場 湯本第一中学校長 猪狩不二男氏
5)日程9.45開会,15.15閉会
中央講師2名の講演,各1時間40分
文部省校長研修報告 50分
6)実施状況
時期的にみて無理であったが,講師陣容,議義内容と
もにきわめて有意義であった。特に長田視学官の資料は
学校管理上,非常に役立つものと思われる。
欠席者もほとんどなく,聴講中もノートをとるなど熱
心に受講し,効果的な研修会であった。
d,研究指定学校