教育年報1960年(S35)-029/135page
学力の向上は学習指導に,道徳の徹底は生活指導に負
うところが多い。学習指導と生活指導の二大目標が研究
学校の眼目になっている。
研究学校は各出張所ごとに小・中学校のいずれか1校
を設けることとし,県下に小学校8校,中学校8校を指
定し,別に委嘱校を22校指定した。
研究科目は国語,社会,数学,理科,音楽,図工,家
庭等とし,内容の深めかたと指導法を主とし,また,教
育課程の改訂を目前にひかえての学習指導法との結びつ
きに,あるいは,特別教育活動等の研究を主眼としたが
委嘱校は道徳の研究を主なるねらいとした。
高等学校は県下各方部に1校ずつとし,5校を指定し
生活指導,学習指導(2校)管理運営,現職教育を研究
の課題として何れも見事な成果をあげ,高校の管理運営
や学習,生活指導の面に指針とすることができた。
これらの研究成果は近く本庁から出版される「研究学
校研究集録」を参照されたい。
次に研究学校指定要項並びに研究学校とその研究内容
を掲げる。
昭和35年度研究指定学校要項
1,研究指定の趣旨
福島県教育委員会,昭和35年努力目標並びに事務局努
力事項に基づいて設定される研究教科目および研究内容
について理論と実践の両面から研究し,本県学校教育の
振興に資する。
2,研究事項
(1)研究の領域と問題点の検討
(2)問題点とその対策の研究
(3)学習指導,生活指導を通じての実践
(4)研究結果の発表と文書による報告
3,研究期間
(1)研究期間は1年とする。
(2)研究結果の発表に年度内に行なうことを原則とす
るが事情によっては次年度に延期することができる
(3)文書報告は2月末日までとする。
4,指 導
研究学校に対する助言,指導のため予算の許す範囲内
にて担当指導主事を重点的に派遣する。
5,経 費
研究指定学校に対し,研究補助金3,000円を交付する
予定。
6,研究委嘱校の指定について
(1)本庁予算の枠外において研究指定を希望する学校
を研究委嘱校とする。
(2)研究委嘱校には研究補助金を交付しない。
(3)研究委嘱校の研究事項等は研究指定校に準ずる。
小・中学校の部
(1)研究指定校
管内 教科目 研究内容 学校数 信夫 複式 移行期における2箇学年の複式指導 飯坂町立茂庭小学校 伊達 学習指導 数学・理科を中心とする教育課程と学習指導法 月館町立月館中学校 安達 〃 安達村立上川崎中学校 安積 英語 英語の学力を向上させるための諸研究 郡山市立郡山第四中学校 岩瀬 図画・工作 創造的表現活動における系統的学習指導法 須賀川市立須賀川第三小学校 西白 学習指導 職業家庭を中心とする教育課程と学習指導法 泉崎村立泉崎第一中学校 東白 算数 学力向上のための量と測定の理解を中心とする指導 棚倉町立棚倉小学校 石川 家庭 実習指導と設備のくふう 浅川町立浅川小学校 田村 学習指導 音楽・図工を中心とする教育課程と学習指導法 中田村立御館中学校 南会 国語 「ことばに関する事項」の具体的な指導のあり方 田島町立荒海小学校 北会 音楽 「聞く・歌う・奏する・作る」楽しい学習指導 猪苗代村立千里小学校 耶麻 視聴覚 教科教材の特質に適合した視聴覚教具の整備と活用 山都町立山都第一中学校 両沼 社会 地理的・歴史的内容の指導を中心とする社会科の教材研究 湯川村立笈川小学校 石城 進路指導 移行期におけるホームルームの進路指導のあり方 双葉 図書館 図書館資料の構成と活用 双葉町立双葉中学校 相馬 理科 理科教材の分析とそれを生かした学習指導課程 相馬市立中村第一小学校