教育年報1960年(S35)-036/135page
f,実施状況
各会場とも早朝より登校して各自の作業を始める状況
で熱意の点では極めて高く評価されてよい。
ただ木材加工・金属加工・電気において日数が少なす
ぎるとの意見もでたが予算上この日数が最大のものであ
ったことは遺憾であった。
D 高等学校教育課程
高等学校教育は,小・中学校の教育課程の改訂に伴い
その基礎の上に小・中・高校の教育課程の一貫性をもた
せるとともに,昭和31年度の高等学校の教育課程改訂の
精神をいっそう徹底させ,新時代に対処すべき国家およ
び社会の有為な形成者の育成を期して,強力に推進する
ために昭和38年度から教育課程の改訂を行なうことにな
った。
本年度はその準備として次のようなことを実施した。
a,高等学校学習指導要領の草案についての研究協議会
期 日 8月5日 13時
会 場 県庁4階会議室
参加者 高等学校長協議会長,同普通,農業,商業
工業,水産,家庭,定通の各部長
並びに,同県北,県南,会津,石城,相双
の各支部長
これらの代表者の要望事項に教育団体の希望を参酌し
福島県教育委員会の要望として,8月30日文部省初等中等教育局長
に報告した。
b,高等学校教育課程地区研究協議会
期 日 11月5日〜7日
会 場 東京,白鴎高校
参加者 本庁より課長,指導主事11名
学校側より校長,教頭,教諭等32名
第1日の全体会議において,初等中等教育局長から改
訂の趣旨について,中等教育課長からは学習指導要領の
全般的な説明がそれぞれあって,第3日の7日正午まで
各部会が開かれ研究協議が行なわれた。
部会は次のとおりである。
国語,社会,数学,理科,音楽,美工,書道,保体,
外国語,特活行事,一般
c,職業課程の地区研究協議会
期 日 11月12日〜14日(水産14〜16日)
会 場 東京,白鴎高校(水産,水産大学)
参加者 本庁より指導主事並びに指導委員14名
学校側より校長,教諭10名
部会は次のとおりである。
農業,商業,工業,家庭,水産
d,昭和35年度福島県高等学校教育課程研究協議会
(1)目 的
昭和38年度から改訂される高等学校教育課程の円滑
なる運営を期するため,東京に開催された地区研究協議会
の内容を基礎にして研究協議を行なう。
(2)期 日
前期 昭和35年12月26日から28日まで
後期 昭和36年1月4日から6日まで
(3)会場
前期 県南地区(安積女子高校)
会津地区(会津女子高校)
後期 県北地区(福島商業高校)
浜通地区(富岡高校)
(4)日 程
第1日 (9時〜16時)一般,特活学校行事
第2日 (9時〜16時)各部会別研究協会
(5)参加者
◎公私立高校の校長と教員
◎3カ年計画につき本年は全員の1/3を参加せしめる
◎各部会別参加者は以下のとおりである。
一般 特活行事 国語 社会 数学 理科 保体 音楽 美工 参加者数 87 87 136 133 118 107 84 38 38 書道 外 国 語 商業 家庭 農業 工業 水産 計 25 175 51 92 74 57 6 1,308 e,反省事項
(1)県南会場をのぞき,各会場とも組合との間に多少の
摩擦はあったが,ほぼ目的を達成することができ参加
者の協力によって今後究明すべき問題点をとらえるこ
とができた。
(2)会場と完全授業確保のため冬期休暇を利用して開催
したが,寒さのため会場のふん囲気に安定をうしない
その抵抗が教育課程改訂の問題とからみあってあらわ
れ,一般並びに特別教育活動と学校行事等を担当した
講師はまことに苦労が多かった。
(3)教育課程の法的根拠,教育課程改訂と人間像,A・
B類型教育の可否等についての教育課程以前の問題が
各会場で意図的にだされ講師の言わんとすることが思
うように述べられず,また,白紙になって研究をしよ
うと参加した教員に憤まんと失望の念を与えたことは
遺憾であった。
(4)生徒会の自主的活動の限界については今後じゅうぶ
ん研究をし,学問の自由と高校生徒としての校外活動
についてはじゅうぶん注意をしてゆかなければならな
い。