教育年報1960年(S35)-037/135page

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  4 科学技術教育

A,概  説

 国は科学技術教育振興のため,次の三点を実施してい

る。

 第1点は施設・設備の充実である。そのためには

産業教育振興法・理科教育振興法等をすでに実施中である。

 第2点は教員の資質の向上である。そのためには,

理科実験講座,中学校教育課程(技術家庭)研究協議会お

よび各種の講習会を実施,または実施を各部道府県に委

任している。

 第3点は,指導要領を改訂し,教育課程の改善をはか

っている。

 県は上にのべた国の方針を受け,その目的達成に努め

るとともに,県独自の計画により下記事業を実施した。

◎福島工業高校電子科の新設

◎高校理科,産業教育実験実習費の増額(生徒1人当り

 年200円,昨年度比20円増)

◎県主催による講習会の実施

 ・理科実技講習会 35・7・22〜24の3日間

          双葉郡請戸小学校

  実施内容  海浜動植物の採集

  参加範囲  小中学校教員約100名

 ・高等学校理科実技講習会 35・7・29〜30の2日間

          安積女子高等学校

  実施内容  「危険藤薬品の取扱い方」

  参加範囲  高等学校教員約130名

 ・理科教員講習会 35・6・4〜6の3日間

          会津若松市立日新小学校

  実施内容  小学校低学年の理科教材の取扱いにつ

          いて

  参加範囲  小学校低学年担当教員100名

 その他教育課程の改善,学習指導法の向上に努めてい

る。

B 理科実験講座

a,趣 旨

 これは国が小・中・高校理科担当教員の現職教育のた

め,33年度から5カ年計画をもって行なうもので,実施

を各県教育委員会に委任したものである。

 詳細については,1,958年度教育年報にゆずる。

b,講座開設状況
部  会 班名 会場名 受講者数 開催期間(実日数各7日)
小学校   本宮小 46 8月 5日〜8月11日
棚倉小 45 8月 8日〜8月14日
会津農林高 44 8月 5日〜8月11日
原町高 43 7月28日〜8月3日
中学校 第一 第二 分野共 醸芳中 25 8月 1日〜8月7日
石川中 37 8月 5日〜8月11日
会津農林高 26 8月 5日〜8月11日
原町高 34 7月28日〜8月3日
高等学校 物理班 福島大学学芸学部 29 8月 7日〜8月13日
生物班 10      〃
  7会場10講座 339  

c,実施状況

 小学校部会・中学校部会については,昨年度同様各方

面ごと一出張所が中心になっていっさいの事務を担当し

これに理科研究会の方々が積極的に協力して実施した。

内容については,あらかじめ指導者協議会を福島におい

て開催して指導内容をよく検討したが,各会場それぞれ

特色があって好評であった。

 高等学校部会は,物理班と化学班を実施したが,大学

の先生方の周到なご準備と熱心なご指導は,そのりっぱ

な設備とともに受講者も満足させるのにじゅうぶんであ

った。感謝にたえないところである。

d,所  見

 小・中・高格会場ごと受講者ならびに実施担当者の所

見を求めたが,いずれも好評であった。ただ経費不足に

はいずれも頭を悩ましていた。消耗器材費と謝金の増額

,高校出席者に対する旅費支給については今後,大いに

改善を加える必要があろう。

C 理科教育振興法の実施

 「理科教育振興法(昭和28年法律第186号,昭和29年

4月1日施行)に基づく理科教育設備費補助金は,小・

中・高・盲・ろう等の諸学校を対象として,当該年度充

実額の2分の1を国庫から補助するものである。昭和35

年度はその第7年次に当る。

a,昭和34年度決算状況

 交付決定額全額を先に概算払していたが,35年4月5

日,市町村に対し額の確定を行い,決算書類を文部省に

提出した。決算状況は次表のとおりである。

昭和34年度法算総括表
学校種別 対象校数 対象市町村数 補助金支付額 設置者負担額 事業決算総額
小学校 88 85(内組合立1) 4,723,000円 4,855,068円 9,578,068円
中学校 67 6,531,000 6,662,818 13,193,818
高等学校 25   3,132,000 3,132,000 6,246,000
盲学校 4   146,000 146,000 292,000
ろう学校  
184   14,532,000 14,795,886 29,327,886


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