教育年報1960年(S35)-039/135page

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による消耗器材の充実と相まって理科実験観察やクラブ

活動の研究が各地で盛んになっており,その成果は各ブ

ロックの研究会の際に発表されている。

5) 今後の問題点

◎理科設備基準の改定が急務である。特に小学校におい

ては,従来の基準品目の中不要となったものが生じたの

で,これについては特に決意を促してきた。さらに36年

1月「小学校各教科設備基準」を配布し,趣旨の徹底に

努めたが,今後はきらに研究を進めるとともに,不要品

の活用について努力する必要がある。

◎中学校における学級増の結果,理科室が真先につぶさ

れ,せっかくの施設が消失するのみならず備品類が散逸

する恐れがある。小学校においては,逆に空室ができる

のでこれを理科室に改造するような努力が必要である。

◎未だ補助対象を希望しない学校が残っているが,これ

は当該市町村の無理解,学校の努力不足に基づくもので

今後これの解消に努めたい。

◎小中学校においては実験実習費を予算に計上すること

が望ましい。

◎県立学校においては全国水準に追いつくため,県費に

よる独自の充実策を講ずる必要がある。

D 産振法の実施

 昭和35年度における産業教育は本県産業教育創設以来

の一大転換の年であった。それは今後の本県産業教育の

方向づけの年であり道しるべとなった年であった。

 即ち急増対策とどう取り組み,どのような方向に本県

産業教育をもってゆくべきか。或いは新設課程はどの程

度の規模でどの位の範囲で増科すべきだろうか。等々本

県産業教育の百年の大計を打ち樹てた記憶すべき年であ

った。

 さて,昭和35年度の産振法による国庫負担金は昨年度

に引きつづき科学技術教育の振興特に工業技術者の増員

をはかる目的で得た新設課程の継続事業をなしえたこと

は本県産業教育振興のため誠に喜びに堪えない。

 また特別設備の補助金を得て工業教育の向上に資しえ

たことは技術改革に対応する教育として慶賀すべきこと

であった。

1,昭和35年度の実施状況

 所要経費については未尾の表を参照されたい。なお本

事業遂行上特に留意した点を列記すれば下記のとおりで

ある。

 (1)特別設備費

 年次計画に基いて各校の研究心と生徒の学力向上を目

指して順次設備金の配分をすることとする。なお,配分

校は補助金受領後2カ年間にその研究成果を発表し,県

内産業教育の振興に寄与することを条件とした。

 (2)新設課程

 現在の新設課程の国庫補助金は工業高校のみに適用さ

れておるのであるが,本県の工業高校の適正規模が5科

 750人〜800人目を目指している現状からこの規模に満

たない工業高校を漸次この線に引き上げるとともに設備

においても前年に引き続き補助金を割当て充実する方針

をとった。

 (3)一般施設費

 従来一般施設費の充実についてはかなり多数の希望校

がありその選定については慎重なる審議を要したところ

であるが,本年度においては下記基準に則って配分した

即ち

 (イ)現有率が10%〜70%でこれを利用する生徒数が80

 名以上であること。

 (ロ)将来統廃合などによって施設の転用が行なわれな

 いこと。

 (ハ) 学習指

導上緊要な施設で利用頻度の高い施設であること。

 (ニ) 一般施設を希望する当該科の中心をなす施設であること。

 (ホ)各地域別に片寄りのないこと。

 (ヘ)過去の配分状況を照合してなるべく重複しないようにすること。

などを勘案して次の第2表のように決定した

 第2表 昭和35年度高等学校産業教育一般施設の課程

    別割当表

課程別 対称課程数 工事面積
農業 3 370坪
工業 4 155坪
商業 1 25坪
8 550坪

 (4)中学校産業教育研究指定校

 研究指定校は昨年度より大巾に増加し,72校の補助金

を得たことは,職業・家庭科が技術・家庭科に移行する

ために極めて有意義なものがあった。本年度の方針とし

ては従来の方針の外に下記のものを加えて選定した。

 即ち,各出張所で第一審査を行うこととし,地域の実

情に則した割当てができるようにした。また,従来の研

究に対する補助金という趣旨から上記移行のため必要な

設備充実のための補助金とした点が大きな差違であろう

従って研究発表なども管内で一つのテーマを考え設備金

配分校がよりより集ってそのテーマについて協同研究し

合同発表をすることになった。

 なお,研究指定校は第3表に示すとおりである。

 昭和35年度中学校産業教育国庫負担金内示校名

管内 地教委 学校名
信夫 飯坂町 平野中学校
福島市 福島第六中学校
福島第三中学校
川俣町 川俣中学校
吾妻村 大庭中学校
伊達 霊山町 掛田中学校
月館町 月館中学校
国見町 県北中学校
伊達町 伏黒中学校
桑折町 睦合中学校
伊達町 伊達中学校
安達 二本松市 杉田中学校

  


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