教育年報1960年(S35)-044/135page
(所見) 本年度は,学級数が7学級増加(学級増8,
学級減1,差引7学級の増)した。特殊教育に対する関
心が高まり,毎年度順調に学級増をみていることは喜ば
しいことである。
しかし,設置地域が都市部にかたよっていること,
中学校が小学校にくらべていちじるしくたりないこと,
絶対数がまだまだたりないことなど,今後の課題は大き
い。
b 開催された研究集会
1) 特殊教育研究集会
時 35・7・2〜3
所 白河市立白河第三小学校
主催 県教委・白河市教委
後援 県特殊教育研究会
主題 ◎特殊学級の学習指導
(音楽ならびにリズム運動)
◎特殊学級経営の諸問題
講師 東京都立水上小学校教諭 加賀谷哲郎
東京都立荒川区立荒川第一中学校教諭
林山俊子
県教委指導主事 遠藤伊雄
2) 特殊教育研究集会
時 36・2・4
所国見町公立藤田綜合病院内養護学級
主催 県特殊教育研究会
後援県教委
主題 特殊学級の教育課程ならびに指導要録の取扱い
について
講師 県教委指導主事 遠藤伊雄
(所見) 7月の研究集会では,昨年度は音楽を主にし
たが,今年度は音楽ならびにリズム体育に重点をおき,
実地授業および参加者の実技練習をした。2月の研究会
では,教育課程をとりあげたが,これは大きな問題であ
るので明年度改めて研究を進める必要がある。
B 養護学校の教育
従来,福島整肢療護園(平市)内に設置されていた
特殊学級(肢体不自由児,小学校5学級,中学校1学級)
をきりかえ,県立養護学校が設された。
学校名 福島県立養護学校
設置期日 35・11・1
位 置 平市大字上平窪字古館1の2番地
学校長 豊田要三
学級編成および担任
学年 種別 男 女 計 担任 小学部 1・2学年 混合学級 8 5 13 小林みよし 3・4学年 〃 11 9 21 中山清 5・6学年 〃 4 8 12 木原陽子 1・2・3学年 脳性マヒ学級 13 11 24 安部昌子 4・5・6学年 〃 2 1 3 竹内光春 中学部 1・2・3学年 混合学級 6 8 14 鈴木真志子 ※児童生徒数 計87人(35.11.1)
(所見) かねて,県肢体不自由児協会その他からしば
しば陳情のあった養護学校の設置が実現したのは,喜ば
しいことである。
しかし,県内にこの種の学校に入学すべき該当者が
2,500人ほどいる。 (35年11月調査)実情から考え,県
内のほぼ中央に位し,交通便にも恵まれている郡山市
に,新校舎を建築する(36年度事業)こととなった。
C 盲学校・ろう学校の教育
a 天皇,皇后のご視察
天皇,皇后両陛下には,昭和36年5月12日,福島盲学校
,同ろう学校をご視察になった。
当日,両陛下は午前11時に飯坂町の宿舎から学校にお
着きにらなった。まず盲学校校長室で佐藤教育長の秦上
をおうけになり,ついで五十嵐校長の先導で盲・ろう両校舎
,光寮をおまわりになり,授業をご覧になった。な
お,両陛下は,各教室ごとに児童生徒に対して激励のお
ことばを賜わった。
奏上 福島盲学校・福島ろう学校ならびに福島光寮の
概況について
私は,福島教育委員会教育長の佐藤光でございます。
謹んで県立福島盲学校・聾学校・光寮の概況をご説明申
しあげます。
福島盲学校の前身は私立福島訓盲学校でございまして
,明治31年に創立されてから,今年で62年になります。
その後昭和4年から聾教育を併せ行なうことになりまし
たが,それが福島聾学校の前身でございます。
本校舎は以前福島市内渡利地区にありましたが,昭和
31年,不幸火災にあい全焼いたしましたので,復旧にあ
たりこの地に移転して,不燃性の近代的な校舎の建築を
計画いたし,昭和32年度に盲学校,33年度に聾学校普通教室
の建築が終わったのであります。なお若干教室が不
足しますので今後引続き増築の計画をたてております。
両校には,それぞれ小学校・中学部・高等部が設置さ
れ,両校合わせて職員53名,児童生徒220名がおりま
す。両校の卒業生は上級学校に進学するもののほかは,