教育年報1960年(S35)-045/135page

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あんま,はり,きゅう師を開業し,または木工所,洋服

店等に就職するなど自活の途をたてております。

 寄宿舎につきましては,目下鉄筋2階だて60名収容の

ものを,7月末完成の予定で建築中でございまして,現

在は校舎の一部を寄宿舎にあて,56名を収容しておりま

す。

 また児童福祉法に基づく聾盲児童施設がこの敷地内に

設置され,福島光寮とよんでおります。ここには,保護

者がないか,または保護者のもとにおいて監護すること

が適当でないものを対象とし,現在14名の職員のもとに

80名の児童生徒を収容し,家庭にかわる生活指導を行な

っております。

 なお本県には,本校のほかに盲学校3校,聾学校3

校,および光寮3が設置されておりまして,総数610名

の児童生徒が在学し,就学率も年々向上をみておりま

す。県といたしましては,数年来特殊教育の振興には特

に努力してまいりましたが,今後いっそうの充実をはか

りたい念願でございます。

b,研究会等

 趣旨 ろう学校教員に対し「口話」指導能力の向上を

   はかる。

 主催 県教委

 期日 35・8・25

 会場 会津ろう学校

 講師 横須賀市立ろう学校講師 若生精一

 主題 ろう児童生徒に対する教科指導(特に「言語」

   に関する実地授業技術の研究)

(所見) 若生講師を招き,昨年度は郡山ろう学校で,

本年度は会津ろう学校で研究会を開催し,まことに効果

的であった。ついては来年度は平ろう学校で実施するこ

とにしたい。

  7へき地教育

 昨年からへき地に勤務する教員に対して研修費が支給

されることになったので,県下三方部に分けて山村教育

研究会を持つようになった。今年も引き続いて県の山村

教育研究会と共催をし,加えて,へき地の学校,小規模

学校(6学級以下の学校)の校長,または,教頭,なら

びに分校の主任の研修会として,小規模学校の研究協議

会を開催した。これは主として学習指導上の問題点を研

究する山村教育研究会と,学校管理上の問題点を研究す

る小規模学校研究協議会とに分けて研究を深めていくよ

うにした。その概要は次の通りである。

A 山村教育研究会

a,会津方部

(1)会場 南会津郡只見小学校蒲生分校

(2)研究主題

 小地域において学力向上をはかるために,小中の連け

いをどのようにすればよいか。

◎国語,算数の複式指導はどのようにすればよいか。

(3)研究発表の実態

 只見小学校,矢沢佐吉教頭から「分校経営の一端につ

いて,分校経営の基本方針,蒲生分校の教育的環境をの

べ,また,経営の実際等について,学習指導,生活指

導,国語指導における複式指導をどのようにしてきたか

について詳しく述べられた。またこの会場における分科

会の研究発表の大要は次の通りである。

◎第1分科会

 ここでの研究主題は,算数の授業で複式学級の指導

は,どのようにすればよいか,ということについて研究

発表をしている。即ち,

 算数科における同題材の指導について

          只見小学校蒲生分校 馬場ナホ子

 算数科における能力別指導について

          只見小学校蒲生分校 斎藤儀一

 算数科学習指導について

          吾妻第1小学校下沢分校 薄敬止

この3人がそれぞれ自分の学級においての実践を詳しく

発表した。特に斎藤儀一教諭が5年の単式学級において

の能力別指導を行なったことはすぐれた発表であった。

即ち,学級を2つのグループに分け,それが2こ学年複

式のような形に分け,低・高のグループにそれぞれの目

標を与え,複式指導のような形で指導している態度は,

複式学級と単式の学級を持っている分校等ではたいせつ

なことである。

◎第2分科会

 ここでは,国語科における複式指導をどのようにすれ

ばよいかということを主眼として研究を発表している。

即ち,

 複式における国語の学習指導法について

          只見小学校蒲生分校 生江智枝

 読解力を高めるためにどうしてきたか

          只見小学校蒲生分校 石山信一

 国語科における3こ学年複式指導について

       三島村宮下小学校洩岐分校 野口武雄

 国語科の学習指導について

    会津若松市大戸小学校闇川分校 遠藤一夫

 1,2学年の国語科の指導について

    西会津町尾野本小学校下谷分校 大西ミヅ

◎第3分科会

 ここでは,小地域において学力向上をはかるために,

小・中・高の連けいをどのようにすればよいかを研究主

題として研究を発表している。即ち,大沼郡金山町横田

小学校山入分校,中丸荘一郎氏からの分校をもつ小地域

において,地域社会の理解を深めることが最もたいせつ

である。そのために分校行事を地域の行事と併せて父兄

に関心と理解を深めるようにした,と発表があった。

 耶麻郡西会津町立黒沢小学校,原清志校長から,校長

としての学校経営について学習指導面を中心に教科の指

導,教科外の指導について述べられた。

南会津高校,真田富美子教諭から,数学における中・高

の連けいについて,高校入学生徒の学力を詳しく調査

し,農山村における学力の低い生徒に対して,どのよう



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