教育年報1960年(S35)-081/135page
の人々が毎年うける精神的ショックは拭いきれないであ
ろうと思う。現場からの話と現に例年直接撮影をうける
教職員と面接指導の際に斯様な意見を聞く。
此処数年の間に医学の目まぐるしく又喜ばしい程の発
展と化学療法の向上に依って結核発病と結核による休職
者は年々再々減少して来たことは衆知の事実である。
これは教職員の結核に対する認識の向上と是を管理し
ている出張所,現場の良りよい理解と厳重な復職診査に
依って培われて来た為であると思う。
結核減少策については変らない。即ち
(1)新規採用時に於て発画の怖れのあるもの,又虚弱な
もの,現に罹患しあているもの,過去に於て結核性疾患
に罹患したもの,及び肺結核の外科的治療をなしたるも
の等は原則として認めない事に内規を定めている。
(2)復職者については充分な療養をなし,再発の怖れの
なくなるまで治療を行い,復職して充分一般教職員と活
動出来得る身体的条件にならなければ結核審査会に諮問
しない。又結核審査会は厳重な基準を定めそれに則って
行っている。
(3)現職者に於ては要注意者(C〜2取扱いのもの)よ
りの発病防止をはかる。これはC〜2に該当する教職員
が県下に約750名位存在するので重点的に此等の人々を
管理して行く。
以上の観点から今年も管理して来たのであるが実績が
挙がりつつある。
B 一般疾病及び精神性疾患について
此処2,3に於て一般疾病に依る休暇休職の病名別
分類をして見るに成人病と並んで増加の傾向を示すのは
精神病である。一般休職者の中の約25%は此種疾病に依
る事は県当局として考案せねばならない。その為に今年
度は精神病教職員の復職については殊に慎重を期し県下
の精神病専門医の打合協議会を開催し,略その原案を作
成するに至った。一見此種精神病に罹患した者は復職し
ても一般教職員の中に混り,又教壇に立ってはたして信
頼すべき教職員を完うし得かる,如何についての調査も
必要と感ぜられる。来年度は試金石として此点の管理に
ついて研究して行きたい。
成人病についても最近の国民疾病罹患と同様増加の傾
向を示し,高血圧,心臓,療等の疾病に依る休職者が多
くなっている。此等の対策としては財政的裏付けをもっ
て(多額の健康管理費をもって)当らなければならない
と思うので今後研究をすすめて行きたい。現に民間会社
や団体に於ては今年度より着々実施して来ている様であ
る。40才以上の教職員に於ては毎年1回の精密検査をう
ける様な制度対策を考案して行き来年度はモデルケース
を作りそれが管理にあたりたい。
4学校体育
昭和35年度における学校体育の重点は第一には,学校
体育指導者養成実技講習の開催によって,体育実技の指
導能力を高め,きらに各出張所ごとに指導の強化をはか
ることであった。回を重ねること三回,この講習会は大
きな成果を得て終了したこと。第二は,16の研究指定校
を研究センターとして学習指導の研究であったが,献
身的な各研究校の熱意と努力による公開授業を中心とし
て,諸問題の解明や研究討議が真剣になされたので,体
育科学習指導は大いに深みを増し,指導者に自信と励み
を与え,県下全般の研究意欲がもり上がり,その成果は
誠に顕著であった。
A 本県における児童生徒の体位の概況
第一表 (男) 児童・生徒の年令別発育年次状況
区分 年度 小学校 中学校 高等学校 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 身長 昭 23 108.1 112.8 117.5 121.9 126.1 130.0 134.9 139.5 145.8 154.8 158.3 160.5 ― ― 30 109.6 115.0 119.6 124.6 129.3 133.6 138.1 144.1 150.3 158.3 161.0 162.9 162.7 162.6 35 111.2 116.2 121.4 126.1 130.8 135.1 140.5 146.5 153.5 160.2 162.4 164.3 164.3 163.3 全国34 111.3 116.6 121.6 126.5 131.2 135.9 141.0 147.9 154.3 160.6 163.2 164.5 165.3 ― 体重 昭 23 18.5 20.1 22.0 24.0 26.1 28.2 31.2 34.2 38.9 45.7 49.3 51.6 ― ― 30 15.5 20.6 22.4 24.9 27.8 29.7 32.8 37.0 42.1 49.2 51.8 54.3 55.2 55.5 35 18.8 20.9 23.0 25.1 27.7 30.3 33.9 38.3 44.5 50.3 53.9 55.5 56.3 57.1 全国34 18.8 20.9 23.1 25.4 27.8 30.5 34.3 39.4 45.0 50.6 53.8 55.9 56.7 ― 胸囲 昭 23 56.0 57.7 59.6 61.3 63.0 64.7 66.8 69.0 72.3 77.0 79.6 81.8 ― ― 30 55.8 58.0 59.7 62.0 63.9 65.7 68.5 71.6 72.2 78.8 81.4 83.2 84.2 84.2 35 56.3 58.2 60.1 61.8 63.8 65.8 68.4 71.5 76.0 80.3 82.4 84.0 85.2 85.3 全国34 56.4 58.2 60.1 62.0 63.9 66.0 68.4 72.1 76.1 79.8 82.5 84.0 84.5 ―