教育年報1960年(S35)-095/135page

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§7 福島県教育調査研究所

  1概 要

 教育調査研究所の目的とするところは,本県教育の進

歩改善に必要な諸問題を調査研究し,本県教育の進展に

寄与することにあるが,教育の各領域にわたる調査と研

究の結果は,広く県下に報告書その他の刊行物として一

般の利用に供してきた。

 また付属施設としての教育図書館をもち,教育に関係

ある図書,各府県における研究紀要等,数多くの資料を

教育関係者および大学学生を対象として貸出している。

 このほか,県教育委員会の機関誌としての 「教育月報」

の編集刊行,年次報告としての「教育年報」の編集

刊行にも当ってきた。

 35年度においては福島県教育調査研究所の機構の整備

改正がなされ,組織規則,処務規程の改正施行を見た。

次にその概要をのべる。

 福島県教育調査研究所設置条例(昭和32年福島県条件

第8号)第4条の規程に基づき,福島県教育調査研究所

の組織に関して必要な事項を定めたものである。これ

は,従来の福島県教育調査研究所規則(昭和27年県教育

委員会規則第4号)は,旧法(教育委員会法)時代のもの

で,現行の地方教育行政の組織および運営に関する法律

ならびに設置条例から見れば,適法でないもの乃至は十

分でないもの等をふくんでおるので,いわゆる地方教育

行政法および設置条例に則り新規則を制定したのである

 新規則の主要なる事項をあげると次のようである。

(1) 総務部,調査係および研究係の三係を設置し(第2

条)それぞれの事務分掌を明確にしたこと(第3条)

(2) 所長の職務遂行の補佐として,次長 (行政職三等級)

を新設したこと(第5条)

(3) 係に係長(行政職四等級)を設けたこと(第6条)

 これによって,内部組織が整備されるとともに責任態

勢の確立をみたのである。

 つぎに処務規程について記すると現行の福島県教育調査研究所処務規定

 (昭和27年教育委員会訓令第1号)

は,福島県教育調査研究所組織規則(昭和35年教育委員会規則第10号)

の施行により,係および事業内容は廃止

すべきものであり,またこの規定は不十分であるので,

事務処理および服務の基本となるべき事項について全面

的に改正したものである。

 改正の主たる事項として

(1)所長の専決事項三点を明文化したこと。このほか事

務代決,文書の取扱い,簿冊等の様式,所長への委任事

項を規定したこと。

(2)服務について,服務の宣誓,勤務時間,有給休暇の

手続き,職務専念の職務免除の手続き,欠勤,旅行等17

の事項について規定したこと。

などをあげることができる。

 なお,組織規則は,昭和35年11月1日,処務規程は,

昭和35年12月27日付で施行された。

  2調査統計

 昭和35年度,調査係の担当した事業概要は,

(1)国が統計法に基いて行う教育関係の諸調査。

(2)文部省が,毎年定期的に行う諸調査およびその年度

に特に必要とする資料を得るための調査

(3)県教育委員会が,教育行政の資料を得るために実施

した調査

に区分される。

 統計法による指定統計のうち一部の調査(学校基本調

査) については,県統計課に協力して実態のは握に努

め,これらの結果を県教育行政の資料として活用を計っ

た。

 当所が関係し,又は実施した調査は別項のとおりであ

るが,その調査結果については一部を除き「報告書」およ

び「資料」として刊行し,教育施策の資料として,一般

の利用に供した。

A 父兄負担の教育費調査

 この調査は,合理的な教育財政政策確立のための基礎

資料を完備するために,「地方教育費の調査」とあいま

って,父兄の側からみた,父兄の個人的に負担する教育

費を明らかにする必要から,文部省が参加を希望する都

道府県教育委員会と共同で,昭和27年度から継続して実

施してきたものである。本県も昨年度に引続いてこの調

査に参加した。

 この調査のおもなことは,次のとおりである。

a,目的

(1)父兄が負担する教育費を軽減する施策の資料とする

(2)教育扶助金および就学奨励賞,育英資金の合理的な

算定に必要な資料とする。

(3)家計における教育費の計画的支出に役立つよう,一

般参考資料を提供する。なお, この調査の基礎となる

「学資の手帳」の教育的利用も副次目的として考えられ

る。

b,調査の対象とその方法

 小・中学校は文部省指定の地域類型別に各9校,全



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