教育年報1960年(S35)-096/135page
日定時制高校は課程別に各8校,盲ろう学校は,小・中
・高等部別に各1校を対象校として,それぞれの学校よ
り1学年5名宛の児童・生徒を選定し,「学資の手帳」
に支出の実態を記入することになっている。
c,期間
昭和35年4月1日から36年3月卒業,修業式前日まで
d,経費の範囲
調査する教育費の範囲は
(1)生徒に学校教育を受けさせるために支出する経費。
(2)家庭およびその延長の場として行われる生徒の教育
に支出する経費。
の二つに分けられる。
e,調査結果
調査結果は,調査期間が前述のとおり,学校期間であ
るため公表の段階にいたらないが,34年度分の結果につ
いて「父兄が負担する教育費」として本県分を公表し
た。
B 高等学校退学者状況調査
本年はじめて実施された調査で,県が文部省に協力し
て行ったものである。
この調査は,昭和34年度間における高等学校生徒の退
学者,転学者,原学年留置きの者および長期欠席者の状
態を調査し,その実態をは握することにより,高等学校
の運営改善,および生徒指導の対策樹立の資料とするも
のである。
調査は,学校票(A)票は
(1)退学者数
(2)原学年とめ置き者数
(3)長期欠席者数
(4)保護者の職業別在学者数
個人票(B)票では,定時制課程生徒の退学者について
(1)学業成績
(2)居住形態
(3)就業状態
(4)父母の状況
(5)退学理由
(6)保護者の職業
について調査した。
調査期日は,昭和34年4月1日から35年3月31日まで
の1年間の実態である。
この調査は,県教育委員会が調査票の配布,収集,
審査を担当したもので,集計および結果の公表について
は,文部省が行うことになっている。
C 地方教育費の調査(教育行・財政調査)
この調査は,昭和24会計年度より,文部省と県教育委
員会が毎年実施している共同調査であり,前年度の教育
費の実態を調査し公表する教育費の考課表というべきも
のである。
調査の目的は,教育施策を立案し,適正な教育水準の
確保を図るため,教育費の使途と負担の関係を明らかに
してその実態をは握し,合理的判断に基く教育費算定の
基準を作成する資料とするものである。
調査の対象は,全公立学校と県および地方教育委員会
である。
調査の内容は次のとおりであるが,行政票を除き,各
調査票とも教育費を分野別,財源別,性質別に区分し,
その使途について調査している。
(1)学校教育費の調査票
学校のために要した一切の経費
(2)社会教育費の調査
公民館,図書館,体育施設,教育委員会が行った社会
教育活動,文化財保護などに要した経費
(3)教育行政費の調査票
教育委員会の所管する事業に要した経費
(4)教育施設に伴う収入に関する調査
教育委員会所管に関する国費,県費の補助金,負担
金,寄付金等を除いた収入額。
(5)地方教育行政の調査票
教育委員会の調査現在日における,組織,人的構成等
調査結果は,速報として地方教育委員会の予算資料(
市町村教育予算編成のために)を刊行し,次いで教育費
の財源,使途などに若干の分析と,結果からみた解説な
らびに一部年次推移を付した報告書「教育費の実態」を
刊行し,教育行政の資料とした。
D 学校設備調査(理科)
この調査は,昭和29年に統計法により第74号で指定さ
れた指定統計である。昭和35年に文部省令が改正され,
調査内容および時期については,文部大臣がこれを定め
ることとなり,学校教育に必要な理科設備,定時制課程
設備について,その現状を明らかにし,これら設備充実
のための基礎資料を得る目的で,本年は,学校設備のう
ち,理科設備関係が調査されたものである。
調査票はA〜F票にわたる。学校種別ごとおよび定時
制課程の品名別で,昭和44年度末における保有数,充実
(国庫補助対象,設置者負担,PTA寄付等)数,基準
数以上学校で保有する数,廃棄数,不足数と,G票(各
学校種別ごと)では,
(1)昭和29年度当初の現有額
(2)昭和29年度〜昭和34年度末までの充実状況
(3)昭和34年度末現有額
が調査対象となり調査された。
この調査結果については,近く,市町村立高校,定時
制課程および私立の学校を除き,数表として公表するこ
とになっている。
E 社会教育調査
この調査は,指定統計第83号による調査で,社会教育
に関する基本的事項を調査し,社会教育行政上の基礎資
料を得ることを目的として行なわれた。