教育年報1960年(S35)-133/135page

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引きつづいて,巨大なマス・コミの中で,われわれの読

書会をどう運営してきたかを反省し,今後のよりよい運

営を工夫したい。というのが趣旨であった。

 a,実施箇所と日時及び参会者数

  福島市(公民館)10月13日約100名

  常磐市湯本(公民館)10月30日約30名

  伊達郡梁川町(公民館)11月4日約30名

  相馬市(第一小学校第二講堂)11月9日約60名

 b,話合った主な内容

(1)県立図書館が音頭をとって進めている読書週間の主な行事

 1)「読者の集い」

 2)「文化講演会」

 3)近世史料展

 4)地方史研究講習会

 5)ブックモビール「あづま号」による全県下へのPR

(2)参会者による「最近読んだ本について」の感想発表

 一例(相馬市の場合)

 1)「暗い百姓」を読んで

      磯別上古青年会  福躍勝雄

 2)「アンネの日記」を読んで

      相馬市婦人会   鈴木ハナ

 3)「その歩みはおそくとも」を読んで

      飯豊青年学級   門馬正一

(3)読者が個人として当面する幾つかの問題点

 1)一生の間に,一人の人間がどのくらいの本(量)を

  読むことができるだろうか。

 2)日本では一年間に,どのくらいの本(種類)が出版

  されているのだろうか。

 3)一生の間に5,000冊を読むという人でも,その図書

  の選択はどう行っているのだろうか。

 4)われわれは,一日の中で,どのくらいの時間的,ま

  たは肉体的読書余力をもっているのだろうか。

 5)何のために読書をしているかを,もう一度考えてみ

  なくともよいた"ろうか。

 6)ベストセラーと古典の問題。

 7)いろいろ形や方向のちがった読書会が目につくけれ

  ど。

 8)平林良孝君「かあちゃん,しぐのいやだ」を読んで

 9)大人のための図書と,青年のための図書とは,どん

  なふうに違っているだろうか。

 10)マスコミの中で「わたくし」自身を,しっかり把握

  するために。

(4)読書会員として当面する幾つかの問題点

 1)読書会をつくる「きっかけ」を,どこに見つけたか

  また見つけようとしているか。

 2)読書会の会員は同志的な結合を,果して必要とする

  ものだろうか。

 3)読書会の会員数は,どのくらいが限度か。

 4)会員の中の「個人差」その他をどのように取扱って

  いくのが望ましいのか。

 5)読書会のリーダー(外部リーダーと内部リーダー)

  はどうなっているか。

 6)読書会を楽しく持続させる年間プログラムは,どの

  ように工夫されているか。

 7)読書会との横のつながりはいらないものだろうか。

 8)読書会は,公民館や図書館に対してどんなつながり

  をもつ考えか。

 9)読書会は毎年同じ形でつづけられるだろうか。新し

  い脱皮について。

 10)いろいろな読書会の実例等について。

 c,評  価

(1)何でも同じことであるが,特に「読者の集い」は,

同じところで春と秋の二回くらい繰りかえして実施する

ほうが効果的である。

(2)それでも去年より進歩している点は,図書館や公民

館の一人相撲にならず,青年会や婦人会が,主催者の一

人に積極的に加わってきたことである。

(3)会場が常に公民館や図書館に限定せず,小・中・高

校あたりまで広げて,学校の先生にも参加してもらった

会場が,他の会場よりもすぐれていたように思う。

  4 整理事務

A 整理とはどういうことか

 図書館でいう整理というのは,図書館資料(図書およ

び図書以外の資料)の整理をさしている。つまり,購入

したり,寄贈をうけた資料を,保管・管理のために遺憾

のないように手続を完了し,必要に応じて,それらの資

料を,いつでも自由に利用し得る状態にしておくことで

ある。そのために整理には受入,目録,分類,資料の装

備,排架,各種目録の編成,索引作成,書庫管理,整本

等の仕事が含まれている。

 これらのことは,公共図書館,専門図書会,大学図書

館,小中高の学校図書館の種別や,規模の大小によって

繁簡の差はあるが,一定の方式によることを原則として

いる。

 本館においても日本十進分類法,日本目録規則,基本

件名標目表,その他の普遍的な方式にしたがいながら,

本館の独自性もとり入れて整理を行なっている。

 このことは,県内の市立図書館,学校図書館,公民館

図書部にも共通することであるが,まだ十分理解されず

図書を買っても整理に迷っている館もあり,それらの館

の要望もあって,福島県公共図書館協会との共催で,35

年7月に磐城市立図書館,12月に郡山市図書館におい

て「図書の整理」について図書館実務講習会を開催した。

B 図書館資料はどのように収集されたか

 県立図書館のはたらきは,県立図書館の性格によって

二つに分けられる。一つは県内の資料センターとしての

役目と,二つは県内の全地域の住民に図書館資料利用の

機会を与えることである。

 このために本館では,図書館資料を本館備えつけのも

のと,移動図書館用,青少年巡回文庫用及び分館用等の


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