教育年報1961年(S36)-000-02/193page
序
昭和36年度は、教育の正常化を目標においてから3年目にあたり、仕上げの年にしたいと考え
努力してきたが、教育関係者と現場教師の方々の共感を得てその実績が昨年度にも増してみるべき
ものがあり、教育の諸条件といい、内容といい、格段の整備充実がはかられたことは、慶賀にたえ
ない。
36年度は、小学校の新教育課程の全面実施の年であり、また中学校の全国一せい学力調査の実
施の初年度の年でもあり、その他当面する幾多の問題等が山積していたにもかかわらず、関係者各
位の熱意とご理解によって、県民のご期待に沿う結果が得られ、教育の本務である児童生徒の学力
向上のためにも、大きな実績をあげることができたことを深くよろこぶものである。
このような正常な努力が毎年に累積されていくならば、本県の教育の幾つかの課題も遠からず解
決するのではないかと明るい期待をもち得たように思う。
今日ここに昭和36年度の「教育年報」を刊行する運びとなったが、これは県教育行財政の全般
にわたり、年間の成果を記録し、重要な共通資料としてその利用を図るとともに、将来に残る公的
記録として集積し、未来への計画と躍進のために欠くことのできない資料といってよい。
この実績の上に更に一段の向上発展を累加されることを衷心より祈り、大方のご利用をお願いす
る次第である。
昭和37年3月
教育長 佐藤光