教育年報1961年(S36)-044/193page
2) 長期給付
長期組合(助教諭,雇傭人等)の退職,癈疾又は死
亡に対する給付で,年金及び一時金がある。
支部においては一時金の決定給付のみを行ない,年
金については本部で決定給付する仕組になっている。
年間給付総額
退職一時金(304件)22,307千円
遺族一時金( 1件) 163千円
計 22,470千円
(2)昭和36年度における福祉事業
以上の給付業務の外に組合員の福祉の増進を図るた
め次のとおり保健福祉事業,資金の貸付及び保養所の
経営を行なっている。
1) 保健福祉事業
この事業資金は短期給付資金の一部を繰入れして行
なう事業である。
ア レクリエーション大会
出張所単位に運動会,球技大会等の各種レクを
催し,これに要する経費として1所当平均25
千円を補助した。
補助額 425千円
イ 海山の家利用券交付
7月から10月まで4ケ月間,県内14の旅館
(県北3県南3会津3石城相双5)と契約して海
山の家の指定を行い,この旅舘を利用する組合員
に利用券を交付し料金の一部(利用券1枚250
円)を補助した。
利用券使用枚数1,322枚で負担額は330千円で
ある。
ウ 創立20周年記念事業
昭和16年に旧教職員共済組合令が施行されて以
来20周年をむかえたので記念事業として全組合員
に組合員証ケースを作成配布した。
20,000枚 140千円
又20年以上引続き勤務した組合員のうち長期疾病
等の事故がなかった組合員903名を選考して記念
品を贈呈した。 217千円
エ へき地医薬品の配布
へき地校に勤務する組合員2,191名に1セット7
00円の救急医薬品を配布した。 1,534千円
オ 図書の配布
へき地校(前年度未配布の本校のみ)26校に医
学辞典「家庭の医学」を配布1冊350円
又組合員長期療養者が入院する主な医療施設に
「文芸広場」を毎月60冊配布し療養者の閲覧に供
している。
カ スキー講習会
組合員の健康増進並びにスキー技術の習得のた
め主として初心者を対象として次のとおり講習会
を実施した。
期 日 昭和37年1月27日〜28日
場 所 高湯,岳,沼尻各スキー場
受講者 115人
所要額 135千円
2) 資金の貸付
組合員の臨時の支出に対し一般・住宅・災害の3種
別の貸付を行っている。
一般貸付は臨時に資金を必要とする場合に最高3万
円まで,住宅貸付は住宅の新増改築修理及び住宅を購
入する場合に最高10万円まで貸付する。災害貸付は水
震火災その他の非常災害をうけた場合に最高20万円ま
で貸付する。
36年度の貸付状況は次のとおり組合員1人当5,087
円相当額を貸付けている。
この貸付資金は長期給付の余裕金を借入れて資金運
用をはかっているものである。
区 分 36年度貸付額 件 数 金 額 一般貸付 2,211件 59,180千円 住宅貸付 499 39,830 災害貸付 6 790 計 2,716 99,800
3) 吾妻荘の経営
組合員及び家族の保養に供するため飯坂保養所を経
営している。
35年10月には隣接敷地83坪を買収し今後の施設拡充
を検討中である。この施設は独立採算の建前をとり運
営しているが,従業員の給与改訂実施に伴い36年5月
から利用料金を1泊2食付540円(外に入場税20円)に
改めた。
37年2月現在の年間宿泊人員は11,986人でこのうち
県内組合員の利用は35%程度となっている。
2 福島県教職員互助会概況
福島県教職員互助会は,福島県教職員の相互共済及
び福利増進を図るため昭和28年4月1日に設立され
公立学校共済組合で手の及ばない教職員の福利厚生面
の一部を援助してきた。昭和35年度から共済組合で
は本給付の外に附加給付を行ない,又共済組合直営病院
の割引制,日本学校安全会の発足等により,家族医
療費の一部がそれ等によって補償されることとなった
ため,互助会はこれら法定給付又は割引等により負担
軽減される額を給付しないこととし,家族が医療を受
けることによって会員が儲かるような現象の生じない
よう,且つ会員全般の利益のためにより有数に会費を
運用するため『福島県教職員互助会給付規定運用基準』
を定め昭和36年3月25日より実施した。