教育年報1961年(S36)-071/193page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

 本県では,昭和35度に県立の養護学校を設置し,し

体不自由児(手足やし体の不自由な子ども)の教育に

あたって参りましたが,こんど新しい校舎,寄宿舎の

建築を本年中に完了し,新たに120人ほどの入学志願

者を募集する予定となりました。

 ついては,し体不自山児の保護者のみなさまにおか

れては,この際子弟を養護学校に入学させ,将来の明

るい希望を確保されるよう,おすすめします。

 1 この学校の位置

 (1)本校

  郡山市富田上赤沼(郡山駅から富田行きバス乗車

  15分 富田支所前停留所下車徒歩10分)

 ※ 本校の校舎,寄宿舎は目下建築工事進行中であ

  り,本年8月に落成の見通しであります。

 (2)分校

  平市大字上平窪字古館1の2(平駅から平窪まわ

  り高崎,小川行き乗車15分,整し療護園前停留所

  下車(徒歩15分)

 2 募集人員

 (1)本 校

  小学部第1学年から中学部第3学年まで

   合 計 105人

 (2)分校

   小学校第1学年  約 15人

 3 入学資格

  義務教育をうけるべき年齢のし体不自由者で,健

  康診断の結果,養護学校で教育することが適当で

  あると認められる者。

  (健康診断は,当方において専門医を委嘱して行

  たい,なお必要があれば保護者,現に在学してい

  る学校等から資料の提出をお願いします。)

 4 授業開始の時期

 昭和37年4月

  ただし,本校については,校舎,寄宿舎の建築工事

  の進行状況により,上記(昭和37年4月)より

  3〜4ヵ月遅れて授業が開始される予想であり

  ます。

 5 この学校の特色

 (1)この学校は,し体不自由児施設(専門的な治療

  を施すとともに,独立自活に必要な知識技能を与

  える。)と協力し,治療をうけさせながら,同時

  に学校教育を施すことが,最も大きな特色です。

  1) 本校の場合は,校舎に隣接して県立のし体不

   自由児施設が設置されることになっておりま

   す。(校舎,寄宿舎と併行して,建築工事が進

   行中であります。)

  また,分校の場合は,社会福祉法人いわき福音協会立の福島整し療護園

  が,以前から設置されております。

  2) これらの施設には専門の医師がおり,大きな

  病院などと同じように,子どもの症状に応じ,

  手術その他の治療を行ないます。

   それで,手術を必要とするような人は,ここ

  に入所することが適当であります。

 (2)本校には寄宿舎が設けられますから,歩行の困

  難な人でも,心配なく入学できます。手術などを

  必要としない人,または軽易な治療ですむような

  人は,寄宿舎に入舎することが適当であります。

  (分校には,寄宿舎が設置されていません。)

  なお,障害の軽い人は通学することもできます。

 (3)この学校では,児童生徒の障害の種類や程度に

  応じ,できるかぎり個人別の指導(1学級の定員

  は15人以下)を行ないます。

  1) 保健・医療

   学校の養護教諭によるほか,上記(1)の施設の協

   力をうけます。

  2) 身体機能の訓練

   このため,各種の専門的な機械,器具を設備

   し,特に力を入れて指導します。

  3) 各教科などの指導

   普通の小中学校と同程度の指導を行ないます。

  4) 職業指導

   特に中学部では職業指導に力を入れ,卒業後の

   進路の選択に協力します。

 (4)この学校を卒業した人は,普通の小中学校を卒

  業した人と同様,義務教育修了者として取り扱わ

  れます。

 (5)この学校に入学した児童生徒の保護者に対して

  は,国と県から,経済的援助があります。(下記

  「6」をご覧ください。)

 6 入学後の経費

 (1)し体不自由児施設に入所する場合

  1) 国と県の負担

   児童福祉法により,医療費,教育費,学校給

  食費,見学旅行費,入進学支度金について,保

  護者の経済事情により,必要な経費の全額また

  は一部を国と県で負担します。

  2) 保護者の負担

   ア,生活保護法による被保護者の場合

    施設への納金は不要です。

   イ,上記以外の保護者の場合

    施設へ納入すべき金額のおよそのめやすを

    あげれば次のとおりです。

   ・ 所得税年額 1,200円の方は,月1,000円

   ・ 所得税年額 4,800円の方は,月1,600円


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。