教育年報1961年(S36)-070/193page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

第8節 特殊教育

 1 盲学校・ろう学校の教育

(1)皇太子殿下,同妃殿下のご視察

 皇太子殿下,同妃殿下には,昭和36年5月31日(午

後3:35〜4:05),福島盲学校・同ろう学校をご

視察になった。昨年度の天皇,皇后両陛下のご視察に

引き続き,たび重なるご視察で,光栄のいたりであ

る。

 当日,教育長から,次のとおり概況をご説明申しあ

げた。

 県立福島盲学校,同ろう学校の概況について

 わたくしは,福島県教育委員会教育長の佐藤光でご

ざいます。県立福島盲学校,同ろう学校の概況をご説

明申しあげたいと存じます。

 本校は明治31年に創立され,はじめ盲教育が行なわ

れておりましたが,その後昭和4年からろう教育をあ

わせ行なうことになり,今年で62年になります。

 本校舎は,以前福島市内渡利地区にありましたが,

昭和31年,不幸火災にあい全焼いたしましたので,

復旧にあたり,この地に移転して,不燃性の近代的た

校舎の建築を計画いたし,昭和33年に盲学校校舎,

34年にろう学校校舎の建築が完了したしだいでござい

ます。

 両校には,それぞれ小学部,中学部,高等部,が設

置され,両校合わせて職員53名児童生徒220名が在籍

しております。両校の卒業生は,上級学校に進学する

もののほかは,あんま,はり,きゅう師を開業し,ま

たは木工所,洋服店等に就職するなど,自活のみちを

たてております。

 また寄宿舎につきましては,校舎の建築に引続いて

工事を進め,昨年8月,鉄筋2階だての舎屋が落成

し,現在60名の児童生徒を収容し,家庭にかわる生活

指導を行なっております。

 なお本県には,本校のほかに盲学校3校・ろう学校

3校が設置されておりまして,700名に近い児童生徒

が在学し,就学率も年々向上をみております。県とい

たしましては,数年来特殊教育の振興に特に努力して

まいりましたが,今後いっそうの充実をはかりたい念

願でございます。」

(2)東北ろう学校研究大会

 1) 目的,東北地区におけるろう教育の振興改善を

  はかる。

 2) 主催 東北ろう学校研究会

      福島県教育委員会

 3) 期日 昭和36年6月16日(金) 17日(土)

 4) 会場 県立平ろう学校

 5) 参加者 東北6県各ろう学校長・教員等(150人)

 6) 講師 東北大学教授 堀江貞尚 (以下 略)

(3)東北盲教育研究大会

 1) 目的 東北地区における盲教育の振興改善をは

  かる。

 2) 主催 東北盲教育研究会

 8) 期日 昭和36年10月24日(火) 25日(水)

 4) 会場 県立郡山盲学校

 5) 参加者 東北各県 盲学校長・教員等(100人)

 6) 講師 文部省事務官 大川原潔(以下略)

(4)郡山盲学校・同ろう学校の校舎落成

 1) 位置 郡山市大槻町字中の平132

 2) 落成・移転・昭和36年10月

(5)会津盲学校,同ろう学校の校舎・寄宿舎の改築

 1) 位置 会津若松市一箕町

 2) 整地着工 昭和36年11月

 3) 建築着工 昭和37年1月

 4) 落成見込 昭和37年8月

 2 養護学校の教育

 し体不自由児を対象とする県立養護学校は,昭和

35年11月1日から設置(平市)されたが・さらに本年

度は,平市の校舎を分校とし,新たに郡山市に本校を

新設し,昭和37年4月から授業を開始する計画で準備

を進めてきた。

(1)「本校」校舎・寄宿舎の建築

 ○ 位置 郡山市富田上赤沼

 ○ 敷地面積 9,700坪(隣設されるし体不自由児

  施設―厚生部所管―の敷地をふくむ)

 ○ 敷地の整地作業

   陸上自衛隊の絶大な協力をうけ,昭和36年11月

  昭和37年3月に実施した。

 ○ 着工 昭和37年3月

(2)入学志願者の募集

 下記のような入学案内を作成し,昭和36年

12月に,

各市町村教有委員会,各小中学校等に配布し,広報と

関係保護者の出願勧奨に努めた。昭和37年3月15日現

在における志願書受付数は,130点におよんでいる。

   養護学校入学案内

〜し体不自由児の
   保護者のみなさまへ〜

    昭和37年1月

   福島県教育委員会


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。