教育年報1961年(S36)-092/193page
社会教育
第1節 社会教育一般
1 概 況
急速に進歩発展する社会に適応する社会教育はいか
にあるべきか。これが本年度の社会教育を進めるうえ
の大きな課題であった。
このような点から,本年度の施策の重点を,社会教
育行政体制の確立,社会教育施設特に公民館の整備充
実,勤労青少年,成人,婦人教育の振興,社会教育関
係団体の健全な育成,県民文化の振興におき,市町村
教育委員会や関係機関,団体との協力のもとにこれが
推進に努力してきた。
社会教育は学校教育の如く定型的なものでなく,そ
の対象,内容,方法共に複雑多岐にわたる教育の分野
であるだけに幾多困難な問題があり,反省を要する点
も多々あったが,総体的にみて大きな成果を挙げ得た
と思われる。
特に15,000人以上の町村の数ケ町村を除いて,
社会教育主事の設置をみたこと,独立公民館建築の気
運が高まってきたことは注目すべきことである。
2 昭和36年度努力事項
(1) 社会教育関係職員の拡充と活動の強化
1) 社会教育主事および公民館主事の設置促進
2) 社会教育主事,公民館主事の現職教育充実
3) 社会教育委員の設置促進と研修の強化
4) 婦人教育指導員の活動促進
(2) 社会教育関係団体への協力
1) 社会教育関係団体の健全な育成と援助
2) 少年,青年,婦人団体の指導育成
3) PTAにおける成人教育活動の充実
4) 集団活動による社会道徳の振興
5) 社会通信教育の振興
(3) 各種学級および講座の充実振興
1) 学習課程の研究と指導法の改善
2) 科学教育,職業教育,国際理解のための教育の
充実
3) 講師助言者の組織化の促進
4) 視聴覚教育指導者の養成と視聴覚教材教具を利
用する指導法の工夫
5) 青年学級運営の改善
6) 青年,婦人国内研修の充実と地域活動の促進
7) 実業高等学校開放講座の拡充
(4) 社会教育施設の整備と運営の改善
1) 公民館の適正なる配置と管理運営の改善
2) 公民館の施設,設備および教具教材の充実
3) 社会教育計画に基づく総合的な社会教育活動の
推進
4) 地域視聴覚ライブラリーの充実と相互利用
5) 「みどり号」運営による地域社会教育活動の促
進
(5) 芸術文化の振興
1) 地域における生活文化活動の振興
2) 芸術文化団体の育成と援助
3) 芸術鑑賞の機会提供
(6) 文化財の積極的保護と活用
1) 指定文化財の保存施策の強化
2) 緊急に保護対策を要する文化財の調査促進
3) 文化財の顕彰と教育的活用
3 県社会教育委員会議
本年度は四回の会議が開かれ,本県社会教育の各般
にわたる重要な問題について審議された。
(1) 第1回 6月12日,1) 県社会教課,2) 昭和36
年度行事予定について,3) 昭和36年度6月県議会
追加予算について,4) 第15同県総合美術展につい
て,5) 昭和36年度東北ブロック社会教育主事講習に
ついて,6) 社会教育関係団体の育成について。
(2) 第2回 11月 9日 昭和37年度予算編成について,
(3) 第3回 2月20日 社会教育行政上の諸問題につ
いて。
(4) 第4回 3月26日 昭和37年度の行事予定等につ
いて。
4 市町村社会教育主事研修会
(1) 趣旨 社会教育の当面する諸問題について検討を
加え,その解決の具体的方策について研究協議し,
本県社会教育の一層の進展充実に資する。
(2) 主催 県教育委員会
(3) 期日及び会場
1) 期日 昭和36年6月19日〜22日
2) 会場 猪苗代町県積慶寮
(4) 講師及び助言者
1) 講師 東京教育大教授 平沢薫
2) 助言者 県教委社会教育主事
(5) 参加者 市町村社会教育主事60名
(6) 研究主題