教育年報1961年(S36)-118/193page
保健・体育
第1節 概 要
学校における安全教育の徹底,学校病の予防,学校
保健環境の整備,学校給食の普及充実,スポーツの振
興及び選手強化は,昭和36年度における保健体育課の
努力目標であった。
各学校に学校薬剤師が設置された初年度として,こ
れを円滑に運営し,またその職能をじゅうぶんに発揮
させるための重要な課題が与えられている。また近年
増加しつつある児童,生徒の事故,災害に対しても、
この予防措置を構ずることは喫緊の急務となった。
去る9月,会津若松市において第16回国民体育大会
夏季大会水上競技会が義宮殿下のご臨席のもとに開催
されたが,同大会で青年の部では本県選手が個人,団
体共に優勝し,万丈の気を吐いた。これは本県のスポ
ーツ振興のための強力な原動力となるもので,まこと
に喜ばしい限りである。
また,スポーツ振興法(法律第141号)が制定され,
スポーツの振興のために地方公共団体のとるべき方策
が具体的に示され,本県においても着々とその準備が
進行中である。
スポーツ選手の強化については,県内各体育関係団
体と提携し,計画に従って強化合宿を行ない相当の効
果を収めている。
学校体育については,指導者養成実技講習会を開催
し,更に学習指導法の研究を行い,その成果は着々と
現われて生徒の体位も向上している。
一般勤労青少年のスポーツ活動は,体育指導委員に
対する県中央講習会,各ブロック講習会,研究集会等
更にその他社会体育に関しての各種講習会等を開催し
てその道を拓き,逐次軌道を進みつつあるが,今後な
お強力な推進をはかりたい。
学校給食の普及充実はまことにめせましいものがあ
り,これは各学校の給食教育に対する重要性が認識さ
れてきた証差であるといえよう。しかし昭和37年度か
らは栄養基準が改訂され,これと共に給食費も若干増
額を要することとなるので,この円滑な運営について
指導の徹底をはかりたい。
結論するに,保健,体育の両面にわたって全国的に
その強化,拡充が叫ばれている現在,昭和36年度は本
県の保健,体育の飛躍的振興をはかるための踏切りの
年であったといえよう。
第2節 学校保健
1 第9回福島県学校保健研究大会
6月30日・7月1日の両日,飯坂町立飯坂小学校に
おいて開催した。参加人員800名,開会式,表彰式,
研究発表,講演,分科会および分科会結果発表等があり
盛会であった。特別講演「学校保健の諸問題」と題する
文部省体育局長杉江清氏の講演並びに同じく「近視・
トラホームの予防と治療について」と題する東北大学
教授相沢長徳氏の講演は深い感銘をあたえると共に今
後の本県における学校保健の対策について大きな示唆
をあたえた。
本研究会の研究主題は四大学校病並びに学校環境衛
生とし,保健主事たど11分科に分かれて各職域別に,
それぞれの立場から研究発表並びに研究討議がおこな
われた。
なお,本大会に県内の学校保健功労者,
会津若松市謹教小学校長,三橋重氏外10名が,
万雷の拍手の裡に表彰された。
本会が各方面にわたり遂年向上発展していく状況が
うかがわれよろこびにたえない。
また,本会の研究集録を編集し,その内容を県内各
学校に配布した。
2 学校保健講習(四大学校病)会
児童生徒が学習しながらかかっている病気は数多く
あるが,そのうち四つの学校病気を本県で特にとりあ
げその撲滅計画を立て,その一環として学校病予防講
習会を春と秋2回開催した。
春の講習会 535名参加
期日 会場 受講者人員 4月24日 平市 78人 4.25 原町市 46 5.1 白河市 45 5.2 棚倉町 65 5.8 福島市 75 5.9 郡山市 94 5.10 会津若松市 89 5.11 南郷村 43 秋の講習会 410名参加
期日 会場 受講者人員 11月28日 会津若松市 78人 11.29 只見町 19 12.6 福島市 62 12.1 棚倉町 40 12.7 郡山市 88