教育年報1961年(S36)-174/193page

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なような気がする。

 そのうえ問題になることは,購入図書の絶対量が少

ないことである。     

増加冊数
  昭34 昭35 昭36
  (昭35.3.31現在) (昭36.3.31現在) (昭37.3.10現在)
館内(個人貸出)用 2,218冊 2,636冊 2,220冊
館外(団体貸出)用 3,498冊 3,004冊 3,350冊
5,716冊 5,640冊 5,570冊
(予算) (180万円) (200万円) (250万円)

 予算の上では,昭和34年度が180万円,昭和3

5年度が200万円,昭和36年度が250万円,と

上昇はしているけれども,図書の単価の値上り等が

あって,年間増加冊数は殆ど全く同じであり,むしろ

減少の傾向すら見られる。もし分館やブックモビール

や青少年巡回文庫の巡回場所を増加したら,館外(団

体貸出)用図書の増加をはからたければならないとい

う一面も看過するわけにはいかない。

 団体貸出用の図書は,館内用として購入する基本図

書よりも,いかにも多い感じを与えるが,予算の上で

の配分計画は下記のとおりであるから,単価はずっと

安いわけである。いわゆる読みやすい本を購入して,

読書層を増大しようというねらいである。読書する人

員の増加をはかるわけであるが,これにばかり力を入

れておると,県の唯一の貴重資料館としての使命を失

ってしまう。

    図書購入費配分計画

  昭35 昭36 昭37
館内(個人貸出)用うちわけ 110万円 140万円 170万円
基本図書 100万円 110万円 140万円
一般図書 10万円 20万円 20万円
特殊資料   5万円  
レコード   5万円 10万円
館外(団体貸出)用うちわけ 90万円 110万円 130万円
分館   46万円 54万円
青少年   18万円 24万円
ブックモビール   46万円 52万円

 5) 最後に,図書の購入状況と利用状況を対比して

量か質かの問題にもう一度触れておきたい。

 図書館としては,総記から文学にいたるまで充分考

慮し,それほどアンバランスな購入をしているわけで

はないが,利用する側は全体の83%強までが文学作

品であるという現実である。図書館にいっても読みた

い本がないなどといわれるのは,おそらく文学の領域

ではないかと思われるが,これ以上文学ものを増やす

ことは可能だろうか。

    図書購入冊数と利用冊数の対比

       (昭35の材料から)

  種類別購入比率 種類別利用比率
0 総記 16% 1%
1 哲学 4〃 2〃
2 歴史 11〃 3〃
3 社会科学 22〃 4〃
4 自然科学 4〃 1〃
5 工学工業 7〃 1〃
6 産業 8〃 2〃
7 芸術 5〃 2〃
8 語学 2〃 1〃
9 文学 14〃 83〃
(児童図書) 7〃  
100% 100%

  2 図書館の仲間をふやす

(1) 県公共図書館協会

 昭和36年度から,二本松市,松川町の新たな加入

を見,年度のまさに終らんとする今,会津坂下町の加

入申込みを受けた。

 会津若松市,郡山市,白河市,須賀川市,磐城市,

内郷市のように,図書館と公民館がともにあるところ

では,図書館に加入を願い,図書館をとおして公民館

に御連絡を願っているが,図書館がないところでは,

公民館に加入していただいている。将来は是非「主だ

った公民館」にも加入していただき,一方において全

国的な図書館の動きを知っていただくとともに,他方

において個々の公民館図書部では実現し得ない種々の

事業を共同で行ない,互いに読書普及をはかっていき

たいと願っている。


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