教育年報1961年(S36)-186/193page

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 昭和36年4月現在
学生生徒数(旧市内)27,896人
  小学(8校) 中学(7校) 高校(12校) 大学(4校)
学 生 生 徒 数 8,658人 6,121人 9,343人 3,774人 27,896人
ある日の入館者一日平均 32人 58人 219人 117人 426人

    (注)530人のうち426人が学生・生徒

(2) 場所のみの利用者が多過ぎる。

 先にもふれたように,学生,生徒の利用者の84.

6%が場所のみの利用者で,単に自分の勉強部屋とし

て利用している。なかには,学生同志の情報交換,あ

るいは社交の場所に利用されている場合もある。

(3) 浪人利用者の増加

 浪人を分類すると,次の三つになるようである。

 1) 予備校+図書館

 2) アルバイト+図書館

 3) 午前+午后=図書館

 つまり,これは館内利用者の固定層であり,新陳代

謝の対象外にあって,県立図書館が,一地方に片寄っ

たサービスをしているとの非難もある。

 ともあれ,浪人利用者の数は,大学生の利用者に近

い数をしている。浪人組に対する重要な施設になって

いることがうかがい知られる。

(4) 学校図書館への要望

 収容能力が利用したい学生,生徒の数に比して極め

て少ないことは前述のとおりであるから,各学校の図

書館を日曜日に開館するとか,放課後のかなり長い時

間開館するとか,学校当局にも善処方をお願いしたい

気持である。

 学生層の利用状況は年間を通じ,一定不変でない。

学期末試験と進学期のみ殺倒し,それ以外の期間は割

合に入館者が少なく,この点から見ても公共図書館の

サービスは再検討されなければならない。いつまでも

学生による利用者の増加のために県立図書館の全勢力

がそこに集中され,他の部門の能率を低下させること

は疑問である。

第4節 館外奉仕

 昭和36年度における館外奉仕活動は,機動力を活

用して充実した資料を県下の利用団体に送りこみ,利

用の効果を高める一方,読書層の開拓をはかる目的か

ら文化事業を繰りひろげ,読書意欲を盛りたてて,読

書グループの育成を押し進めるのがねらいである。

従って努力事項も次に示すような6項目に重点目標を

おき奉仕活動を展開するように努めた。その努力目標

は,

 1) ブックモビールの効果的運営

 2) 貸出文庫用図書の充実

 3) 青少年巡回文庫による積極的な奉仕

 4) 読書グループの育成

 5) 読書感想発表会の実施

 6) 館報「あづま」による図書館活動のPR

 以上のとおりであるが,今年度の館外奉仕活動をふ

り返ってみると,ぼう大な面積と200万の人口を

有する本県の各種条件は,県立図書館の性格にふさは

しい図書館活動を遂行するのには容易ではなく,全県

民の満足するようた成果をあげ得なかった。もっとも

今年度は昨年10月に館外奉仕面の活動地域,資料の

改善,「あづま号」の運行方針等を根本的に変更した

直後でもあり,成果はむしろ今後に期待し県民の要望

に応えたい。

 1 ブックモビールはどのように運営

    したか

 昨年度の昭和35年10月に,ブックモビールの奉

仕地域について大改革を行なったが,運行計画と実施

面においてスムースに運べない傾向があった。

 そこで今年度は,年度初頭において円滑な巡回と成

果を期待する目的から移動図書館運行計再基本方針を

立て,それに基いて,合理的巡回を実施した。

(1) 昭和36年度移動図書館運行計画基本方針

 1) 奉仕の対象は全県下の地域とするが,昨年度巡

回した地域のうち,特に県北地区を重点的に巡回する

 2) 今年度は駐車場管内の読書普及を呼びかけると

ともに,一歩前進して読み仲間的な集団読書形態の基

礎を作るように指導助言を行なう。

 3) 巡回日程の作成に当っては年間を4期に区分し

1期分の日程を変更することなく完全に実施し,巡回

の都度駐車場に日程表の発送はしない。

 4) 巡回日程を立てる際は運行費(燃料,旅費)を

充分検討し,そのわく内において巡回回数を決定する

従って燃料を合理的に消費するためには,従来の日帰

りコースでも,1泊2日,または2泊3日等に変更す

ることも止むを得ない。

 5) 全県下を隅々まで少くとも1回だけは巡回する

ことを前提として,昨年度中止した各駐車場をも,各

コースの日程に織りこみ,分館または県教委出張所の

協力を求め,中止後の駐車場管内地域の読書普及状況


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