教育年報1962年(S37)-000-01/169page
序
昭和37年度は本県教育水準の向上,諸条件の整備充実をめざして努力してまいりましたが,教育
関係者ならびに各学校職員各位の共感を得て,その実績が昨年度に増してみるべきものがあり,教
育の条件,内容ともに格段の整備充実がはかられたことは慶賀にたえません。
37年度は児童生徒の学力向上問題,高等学校急増対策,教職員の旅費請求訴訟等,実に多難な年
でありました。
さいわい関係者のご協力によりまして本誌に収録されましたとおり,行政実績をあげることがで
きました。
かえりみますと今年は,永年県教育に尽力された佐藤前教育長の後をうけて,わたくしが県教育
行政の住にあたってまいりましたが,教育行政の効率化,児童生徒の学力向上等,八項目の努力目
標を設定いたしまして事業の推進をはかってまいりました。これらはいずれも将来にわたってその
解決に努力を集中すべき懸案事項であると思われます。
本誌はこれらの年間の成果を記録し,重要な共通資料としてその利用をはかるとともに,将来に
残る公的な記録として集積し未来への計画と躍進のために欠くことのできない資料であります。
この実績の上にさらに一段の向上発展を累加されるよう衷心から希望するとともに,ご利用をお
願いする次第であります。
昭和38年3月
教育長 大槻文夫