教育年報1962年(S37)-159/169page

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土誌,女学,その他の順になっている。(今年度は特許

資料を工学から切離して集計)

(3) 利用者職業別

 公務員,会社員,大学生,その他の順となっている。

(4) 今後の対策と課題

 一般的にいって,図書館は学生,生徒の利用する場所

のような印象をあたえている。ましてやレファレンス・

サービス,参考事務といった仕組みは容易は大衆化され

ない。そこで,現在図書館を利用している人達を対象に

参考事務の仕組みが,どの程度理解し認識されているか

についてのアンケートをとってみたが,回答者190名中

知っている人が120名であったことから考えてみて,今

後は機会ある毎にこの業務の存在を一般大衆にPRする

一方,内容の強化充実をはかれば,将来図書館は,地域

社会の一般大衆に親しまれる一種の民衆大学ともいうべ

き社会教育施設になり得ることも想像される。

4 館内の環境整備と施設の改善

 前記の利用状況にもあるように利用者の80%は学生,

生徒によって占められている実情にあるため,とかく一

般成人は,学生,生徒の利用者に圧倒され図書館は常に

満員の状態にあるものと想像されがちで,利用する意図

があっても敬遠される傾向がないでもなかった。

 そこで,一般成人にはいつ来館しても座席があるよう

に,成人席を従来の2倍(48席)に増加し,ゆとりをも

たせ,いつでも自由に利用できるよう改善を施した。ま

た,カーテンも新築当時のもので,相当破損し,著しく

不体裁となったので,新規のものと取替え,読書室の環

境を整備し更に読書室の照明度についても調査を試み近

代的図書館としての理想的な照明度(100ルクス〜300ル

クスを必要とされている)を備えているが,また書庫内

の湿度は,資料の永久保存にたえ得る状態にあるのが,

それぞれ測定器を使用し綿密に実験を行なった結果,下

記のとおりの成績で,読書室内の照度および書庫内の湿

度に関する限り近代的図書館として理想的であることが

判明した。

 県立図書館における照度    1962.10

測定箇所

   1階 読書室

   2階 読書室

   3階 読書室

   書  庫

測定期日,天気

   10月 9日  (曇,小雨)

      10日  (晴)

使用器機

   マツダ照度計5型精密級

測定方法

   各箇所とも1〜3点を選び,各点における

   照度を測定,また書庫を除いては机上における照

   度を測定。

実 測 値

測 定 対 象 照度lx 時 刻 天 気 備 考
場   所 位 置 カ―テン
1階第1読書室 中 央 200 P.M.4.20〜 小 雨 螢光灯全部点灯
2階第2読書室 中 央 196  〃 小 雨  〃
3階第3読書室 中 央 290  〃 小 雨  〃
書    庫 中 央 21  〃 小 雨  〃
1階第1読書室 南 側 16,000 P.M.1.00〜 螢光灯点灯せず
中 央 680  〃  〃
北 側 270  〃  〃
2階第2読書室 南 側 12,000  〃  〃
南 側 210  〃  〃
中 央 400  〃  〃
中 央 176  〃  〃
3階第3読書室 南 側 15,000  〃  〃
南 側 360  〃  〃
中 央 430  〃  〃
中 央 168  〃  〃
北 側 140  〃  〃
北 側 95  〃  〃


註 (1) 1,2,3階読書室の南側測定値は日光の直射を受けている状態で測定したため極単に高い結果がでた

    ものである。

   (2) 書庫は3階,中央付近の書架の最下段の棚を測定した。


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