教育年報1963年(S38)-167/180page
2 蔵書目録
県立図書館の全県的な図書館活動の一手段として蔵書
目録の刊行を計画し,昭和28年から全蔵書の再整理をは
じめた。まず,第1集は,最も地域的に関心の持たれる
郷土資料篇を30年3月に刊行し,続いて別表の順にした
がって刊行してきた。本年度は,昨年度の芸術篇にあわ
せて刊行する予定であった語学部門1,700冊と,文学部
門のうち総記関係1,000冊,それに昭和5年に寄贈さ
れ,まだその全容を紹介することのできなかった放江文
庫830冊を付け加えた。
この第8集の刊行によって,当館に所蔵する資料のう
ち,日本文学,外国文学と,その後の増加分を除いた全
資料を紹介することができたわけであるが,これによっ
て,県内全地域にサービスする資料センターとしての役
割と,全国の図書館間の相互貸借の実現に寄与すること
ができれば幸いである。
今までに刊行した蔵書目録は,次のとおりである。
第 1集 郷土資料蔵書目録 30年3月
第 2集 蔵書目録 総記・哲学篇 31年3月
第 3集 〃 歴史篇 33年3月
第 4集 〃 社会科学篇 35年3月
第 5集 〃 自然科学・工学篇36年3月
第 6集 〃 産業篇 37年2月
第 7集 〃 芸術篇 38年3月
第 8集 〃 語学篇・文学篇1 39年3月
第 9集 〃 文学篇3-外国文学-40年3月予定
第10集 〃 文学篇2-日本文学-41年3月予定
3 佐藤文庫
郡山市の佐藤伝吉氏より寄託された佐藤文庫の整理
は,昨年度に引き続いて,本年度も行なってきた。戦争
及び軍事資料は,一部の困難な資料を除いてほとんどの
資料の目録カードの作成と分類番号の決定を終り,太平
洋戦争関係と戦争文学の資料の装備を残すのみとなっ
た。これらの資料の39年3月末現在の主題別タイトル数
は別表のとおりである。
一般資料については,目録カードの作成と分類を終
り,記号の決定をまって装備をするまでにいたった。
本年度はまだ整理の段階で,公開するまでにはいたっ
ていないが,資料を一般に紹介する意味から,資料の一
部の展示会を,読書週間の一行事として10月に当館と郡
山市図書館において,それぞれ3日間開催した。
戦争軍事資料主題別タイトル数 昭和39年3月現在
主題 タイトル数 和漢書 洋書 計 軍事理論,国防思想 20 3 23 国防史,伝記 202 138 340 参考書,論文集,逐次刊行物 46 7 53 団体,軍人教育,軍人生活 21 2 23 国防政策,軍事行政 62 7 69 戦史(総記) 10 1 11 日本の戦史 (通史,古代―西南戦争) 387 3 390 日清戦争 251 30 281 日露戦争 494 292 786 日独戦争,シベリア出兵 36 3 39 満州・上海事変 77 14 91 支那事変,太平洋戦争 621 65 686 外国の戦史(通史,各国の戦史) 128 83 211 第一次世界戦争 64 269 333 第二次世界戦争 78 48 126 戦争,戦略,戦術 65 41 106 古代兵法 194 5 199 軍事医学 3 2 5 軍事施設,軍需品,兵器 63 23 86 陸軍,海軍,空軍 202 101 303 戦争文学 483 65 548 3,507 1,202 4,709
4 研究集会の開催
整理事務は,資料の増加と係員の制約,事務の複雑性
などから,円滑に行なわれているとは言えない現状であ
り,当然やらねばならない仕事にも手が回らないため
に,図書館活動に支障をきたしているとも考えられる。
このため整理事務の能率化,簡素化を検討して,図書館
活動の充実をはかる目的から,12月5日,6日の2日間
当館において研究集会を開催した。
研究題目
整理事務の能率化
第1部 職員組織とその運営を中心として……道県
立図書館
第2部 奉仕業務の立場からする再検討……市町村
立図書館・公民館
参加者
北日本地区道県立及び市町村立図書館職員32名,県
内市立図書館及び公民館職員16名