教育年報1964年(S39)-059/232page
から,へき地校や農山校の勤務の経験が学校経営に生
かされることが望ましいものと考えられ,そのために
もこうした経験は必要と考えられる。また校長・教頭
の資格要件の中にこれを入れたことにより,若い教師
が進んでへき地校に赴任することが期待され,ひいて
はへき地教育の振興に寄与するものと考えられるので
ある。こうした点において,へき地校に勤務する教員
の精神面の優遇がはかられたものというべく,昭和39
年度末人事において都市,平地とへき地の人事交流が
円滑に行なわれたのも宜なるかなである。
3 教職員の配当基準
教員の配当基準は前表のとおりであるが,昭和39年度
は配当基準を改善することはできなかったが,40年度は
相当に改善することができた。この配当基準以外に分校
4校以上を有する学校および本校3学級以下で分校を有
する学校に教員1人を配当した。
養護教員については,小学校において39年度は児童数
1,300人に1人の割で学校規模・学校数等を勘案して市
町村教育委員会毎に配当したが,40年度は同様の方針で
児童数1,250人の割に1人に配当するよう改善され,中
学校においても同様な方針で39年度は生徒数1,700人に
1人の割に配当を改善できた。
事務職員については,昭和38年度までは学校規模によ
り配当したが,39年度より児童生徒数を基準として配当
するよう改め,小学校は39年度児童数650人以上の学校
に1人を配当したが40年度は児童数560人以上の学校に
1人配当するよう改善し,中学校は39年度生徒数350人
以上の学校に1人配当し,40年度は生徒数320人以上の
学校に配当するよう改善することができた。
4 異動数
昭和39年度末小中学校教職員人事異動総件数は3,684
件にのぼった。児童生徒数約20,000人の自然減に伴なう
75名の教職員定数減と,療養休暇者および長期疾病休暇
者の補充教員は一般の定数内で賄うべし,という定数運
用の変更もあり,定数上相当窮屈な面もあったが,退職
者数451名,小中学校から高校への配置替80名があった
ので,417名の新採用教員をみることができ,かなりの
新陳代謝と組織の充実をはかることができた。
へき地と都市,平地との交流については,へき地より
都市・平地に643名,都市・平地よりへき地に490名の交
流があったが,特にへき地検の人事を早めに,優先的に
行なった結果,例年になくへき地検の職員組織が強化さ
れたことは喜ばしいことであった。次に件数一覧表を掲
載する。
昭和39年度末公立小中学校教職員異動件数調
(1) 退職・採用・転任
学校種別
/職種別
/異動種別1 退職 2 採用 3 転任 総計 校長 教員 校長
教員計事務
職員計 校長 教員 校長
教員計事務
職員計 校長 教員 校長
教員計事務
職員計 小学校 51 225 276 4 280 56 213 269 1 270 111 1,515 1,626 15 1,641 2,191 中学校 21 145 166 5 171 29 204 233 0 233 50 1,017 1,067 22 1,089 1,493 計 72 370 442 9 451 85 417 502 1 503 161 2,532 2,693 37 2,730 3,684
(2) 人事交流地域区分の交流
A-A A-B A-C B-A B-B B-C C-A C-B C-C 総計 小学校 管内 71 182 84 222 287 121 121 172 67 管外 18 28 29 18 53 46 32 67 53 中学校 管内 48 115 79 129 154 76 79 91 26 2,765 管外 31 32 27 33 49 28 27 54 16 計 管内 119 297 163 351 441 197 200 263 93 管外 49 60 56 51 102 74 59 121 69 合計 168 357 219 402 543 271 259 384 162