教育年報1964年(S39)-060/232page

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5 県立学校人事異動の基本方針

 「昭和39年度末県立学校教職員人事に関する方針」

は,昭和40年1月7日の教育委員会によって,次のとお

り決定された。

 教育に対する県民の期待と要望にこたえ,学校教育の

刷新充実をはかり,本県教育水準の向上を期するために

は,教職員組織の充実強化が行なわなければならない。

 本委員会は下記方針に基づき,年度末教職員人事異動

を行なうが,これが実施に当っては広く県民各位の理解

と教育関係者の積極的な協力を切望してやまない。

            記

1 基本方針

 1 全県的視野にたって適材を適所に配置し,教育の

  向上をはかる。

 2 教育の機械均等の理念に立脚して,各学校の教職

  員組織の充実と均衡化をはかる。

 3 教育委員会の自主性を堅持し厳正公平な人事を行

  なう。

2 重 点

 1 優秀な教職員の確保につとめる。

 2 急激に増加した教職員の組織の充実と均衡をはか

  るため,新採用教職員の配置と交流の適正を期す

  る。

 3 新進有為な人材の登用をはかる。

3 実施方針

 1 採用

  (1) 教員については資格・人物・健康・成績等に基

   づいて選考し,その配置の適正を期する。

  (2) 事務職員については教員に準じて行なう。

 2 交 流

  (1) 免許状,性別,年令構成別,給与平均額等の均

   衡をはかるため,つとめて広域にわたって交流を

   行なう。

  (2) 都市と農村およびへき地との交流を行なう。

  (3) 学校種別間および課程間の適主な交流を行な

   う。

  (4) 同一校相当年数勤務者の適正な交流を行なう。

  (5) 事務職員については県立学校と事務局および知

   事部局との交流につとめる。

 3 昇 任

  (1) 校長については,その職責の重要性にかんがみ

   資格,人物,指導力,勤務実績,健康等のすぐれ

   た者のうちから厳選する。

  (2) 副校長,教頭,定時制主事,通信制主事につい

   ては校長に準じて厳選する。

  (3) 事務長(事務長心得を含む)については職責の

   重要性を考慮して厳選する。

  4 降任および退職

   勤務実績,年令および勤務年数等を考慮して慎重

  に行なう。

4 この方針の準用

  この方針は昭和40年度における年間人事についても

 準用する。

6 県立学校教職人事異動の概要

 高等学校においては,昭和40年度が生徒急増の第三年

目であり,進行による学級増が181,1,025名増募による

学級増が20,合せて201学級が増加し,本県では急増最

高の年次となった。これにより,進行増分として一般教

員220,増募分として常勤講師35,計255の定数増があっ

たため,昨年に引き続き優秀な教員の確保とその適正配

置が中心とならざるを得なかった。しかし懸念された工

業理数系教員も奨学生から23名,小中学校から約30名,

その他一般採用分も加えて計画どうりの確保ができ,学

校運営に支障がないようになった。

 (1) 新採用について

 高等学校教員の採用志願者は,大学新卒業者,小中学

校現職者,他県現職者,その他をあわせて約780名に達

したが,こめうち約190名は本県小中学校現職者で占め

られていた。

 採用志願者総数からみれば採用にじゅうぶんであるよ

うに見えるが,教科別および男女別にみると極めて不均

衡であった。とくに数学科,理科のうち物理・化学・地

学は一部の不適格者を除いて,ほとんど全員採用しても

なお若干不足であった。理工系奨学生から数学科5名,

工業科18名を採用できたので,数学科・工業科は他の採

用とあわせてほぼ充足した。国語科,英語科の志願者は

男子に比して女子が相当多数であったため,採用の実際

にあたっては結局需要をみたすにいたらなかった。一方

社会科においては,志願者数が圧倒的に多かったのに比

して,需要が限られたため一部を採用したにすぎなかっ

た。

 また,工業関係の実習助手および技能員の採用につい

ても,工業科教員同様人材確保に困難な状態にあった。

さらに,養護学校の教員定数は学級増によって6名増加

したのであるが,これが採用にあたっては志願者の特殊

教育に関する理解不足から,つぎつぎに拒否されて採用

が困難であったことはきわめて遺憾であった。

 小中学校からの採用者数は85名であり,37年度末約

200名,38年度末約130名,急増期における採用は合わせ

て415名の多数に達した。

 (2) 校長等の新採用について

 校長人事においては,退職校長8名の後任および事務

局への配置換え1名と合わせて9名となった。その後任

の充足にあたっては,事務局幹部職員の現場復帰および

教頭等としてすぐれた経歴者の登用をはかり,極力その


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