教育年報1964年(S39)-063/232page
2 教育職員免許法ならびに同法施行規則の一
部改正
イ 高等学校教諭免許状の特例
高等学校教諭免許状の特例として,特定の教科の技
能にかかる事項について,1級,2級の区別のない教
諭免許状が設けられた。
この免許状は,大学の教育を受けたか否かにかかわ
らず,文部大臣が行なう試験によって教員として適当
な者であると認められた者に教育職員免許状が授与さ
れるものであり,現行の免許法制定以来はじめての
「試験」制度である。
なお,本年度においては,剣道,柔道および計算実
務について試験が行われた。
ロ 小・中・高校および幼稚園の教員免許状を上進しよ
うとする場合の在職年数の取り扱いに関する改正。
これは,盲学校・聾学校および養護学校の各部の教
員の在職年数を,その者の所持する小学校,中学校,
および幼稚園の教員免許状を上進しようとする場合に
通算するようにしたものである。
3 免許法認定講習
教育職員免許法にもとづく本年度免許法認定講習は,
夏季免許法認定講習,幼稚園保育内容研究講習会および
福島県精神薄弱教育講座が開催された。
(1) 夏季免許法認定講習
1) 会場地 郡山市,会津若松市,平市
2) 期 間 昭和39年8月1日〜8月10日
3) 実施状況
会場 一般・専門の別 科目 受講者 授与単位数 郡山市 教科専門科目 図画工作 46 46 〃 音楽 35 35 〃 農業 17 17 〃 工業 45 45 教職専門科目 体育科教材研究 42 42 〃 音楽科教材研究 42 42 特殊教育専門科目 点字の理論及び実際 25 25 〃 言語指導の理論及び実際 42 42 〃 異常児(精薄)の病理 42 42 〃 聴覚音声生理及び病理 40 40 〃 視覚生理および病理 37 37 〃 異常児(肢体不自由)の病理 25 25 会津若松市 教科専門科目 図画工作 37 37 〃 体育 23 23 教職専門科目 音楽科教材研究 33 33 〃 図工科教材研究 35 35
平市 教科専門科目 体育 27 27 〃 音楽 16 16 教職専門科目 図工科教材研究 31 31 〃 体育科教材研究 9 9
(2) 昭和39年度幼稚園保育内容研究講習会
1) 会場地 福島市
2) 期 間 昭和39年7月20日〜7月26日
3) 受講者および付与単位数
科目および単位 自然 1単位
受講者数 51名
付与単位数 51単位
(3) 昭和39年度福島県精神薄弱教育講座
1) 会場地 福島市
2) 期 間 昭和39年8月22〜29日
3) 実施状況
科目 受講者数 授与単位数 備考 異常児教育 106 106 北海道5名,青森県11名, 秋田県7名,岩手県10名, 異常児教育 106 106 山形県19名,宮城県16名, 福島県38名
第5節 訴訟事件
1 事件の概要
昭和40年3月21日現在,当教育委員会関係の争訟事件
は,行政訴訟事件として裁判所に係属中のもの9件,県
人事委員会に不利益処分審査請求事件として係属中のも
の4件,計13件におよんでおり,全国的には第7位に位
置し,比較的争訟事件を多くかかえているということが
できる。以下行政訴訟事件,不利益処分審査請求事件に
わけ,概要を説明することとする。
(1) 行政訴訟事件
1) 懲戒処分取消請求事件 (福島地裁昭34行第2号)
昭和33年9月15日,同年10月28日,同年11月26日,
教職員に対する勤務評定実施に反対するため,県下に
おいて多数の教職員が上司の許可なく職場を放棄し,
そのため多くの学校において正常な運営が阻害され非
常な混乱が生じた。当教育委員会としては,このよう
な行為は地方公務員法に違反するものであるとし,当
時の県教員組合中央執行委員長加藤林外27名に対し懲
戒処分を行なったが,加藤林外27名はこれを不服とし
て昭和34年1月20日福島地方裁判所に懲戒処分取消の
訴の提起をなしたものである。
2) 懲戒処分取消請求事件 (福島地裁昭36行第9号)