教育年報1964年(S39)-187/232page
ず意外に少なかったのは,それだけ指導層の浅いこ
とや資質の点などに問題点が多いと考えられ,今後
この領域における指導者の充実強化を図らねばなら
ないと思われる。
9 昭和39年度学校体育スキー実技講習会
学習指導要領の内容のうち,とくにスキー教材につい
て研究し実技の指導力向上をはかり,あわせて冬期体育
の効果的な運営に資するため教員を対象としたスキー実
技講習会を実施した。
(1) 期日 昭和40年1月12日(火) 13日(水) 14日(木)
の3日間
(2) 会場 耶麻郡猪苗代町 沼尻スキー場
(3) 対象 小・中・高校教員のうち,これからスキー
を始めようとする初心者を主とし中級以下のも
の
(4) 内容 1) スキー教材の実技および指導法
2) 冬期学校体育指導上の諸問題の研究協議
(5) 講師 福島大学学芸学部助教授 鈴木勝衛
全日本スキー連盟公認指導員 小沢昭寿
〃 〃 磯谷栄一
(6) 参加者 70名
(7) 状況 積雪70cm,天候晴の好条件に恵まれ効果的
な運営がなされた。内容については,受講者の技能
の程度に応じて上,中,初級の各班に分れ,基本技
術から高度技術にわたり個別指導を主として技能の
定着化を図ったので,三日間の短かい日程ではあっ
たが,いちじるしい進境を示した。また夜間は講義
と研究協議を行ないスキー教材の指導計画,指導上
の問題点ならびに冬期体育のあり方などについての
研究をなした。
次年度はスキーパッチテストを日程の最後に組み入
れ技能習得の目標と指導者としての資格を付与する
よう検討したい。
10 昭和39年度冬期体育実技講習会
冬期間における体育学習指導と管理について実技の研
修をとおして研究し,あわせて文部省主催の東北地区体
育実技講習会内容の伝達徹底をはかるため実施した。
(1) 期日 昭和40年2月15日(月) 16日(火)の2日
間
(2) 会場 開講式 平市立平第一中学校
徒手・器械運動会場 平市立平第一中学校
球技会場 平市立平第一小学校
リズム運動会場 平市立平第一小学校
ダンス会場 磐城女子高等学校
(3) 参加対象および部会ならびに班別
小学校,中学校,高等学校の教員
(1) 小学校部会
ア 徒手体操,器械運動班
イ ボール運動班
ウ リズム運動班
(2) 中学校,高等学校班
ア 徒手体操,器械運動班
イ 球技班 (サッカー)
ウ ダンス班
(4) 参加人員 200名 (小学校部会150名,中・高校部
会50名)
(5) 講師
福島県教育委員会事務局保健体育課指導主事
鈴木正一
福島県教育委員会石城出張所指導主事 久間木秀雄
〇 小学校部会
徒手,器械班 内郷市立高坂小学校教諭
馬目正
ボール運動班 磐城市立小名浜第二小学校教諭
橋本正男
平市立平第六小学校教諭
大平喜好
リズム運動班 内郷市立高坂小学校教諭
黒田智多子
平市立平第三小学校教諭
小林八千代
〇 中・高校部会
徒手,器械班 双葉高等学校教諭 佐久間貞良
球 技 班 相馬女子高等学校教諭 菊地啓ニ
ダンス班 磐城女子高等学校教諭 山名ハツノ
(6) 状況 中・高校部会の球技はサッカーを中心と
し,その他の部会各班ともそれぞれの領域における
冬期間の取り扱いを中軸として研修をなした。各講
師とも適切な指導資料を作成し,周到な指導計画の
もとに指導したため短かい日程であったが,効果的
であった。参加者も毎日の授業に直結する内容であ
るので終始意欲的な態度で実技の研修に問題点の
研究解明にあたったので,きわめて有意義であっ
た。
11 本県における児童生徒の運動能力の現況
運動能力の比較考察は全国的には昭和34年度の文部省
調査による資料に頼るはかなかったのであったが,本年
度は新たに文部省において作成したスポーツテスト(運
動能力テスト・体力診断テスト)が全国的に普及奨励さ
れており,全国の集計結果も文部省より発表され,本県
においても県下児童生徒に全面的に奨励実施した。結果
は次のとおりである。
運動能力テストについて男子は全体としては全国の傾
向とほほ同じであるが,走力(50m走,1500m走)は16