教育年報1965年(S40)-048/213page
イ 付加給付
給付区分 給付件数 給付日数 給付金額 組合員1人当
給付金額件 日 千円 円 家族療養費附加金 210,818 1,674,921 39,364 1,770 出産費附加金 551 551 24 配偶者出産費附加金 561 2,805 126 育児手当金附加金 1,070 2,568 115 埋葬料附加金 42 166 7 家族埋葬料附加金 180 1,080 48 結婚手当金 685 4,109 184 災害見舞金附加金 32 489 21 合計 213,939 51,132 2,295 従って短期経理の収支状況は、収入490,085千円
支出609,690千円、差引赤字119,605千円となってい
る。(図1参照)
40年度の掛金、負担金率は昭和29年にきめられた
ままの22.8/1000であり、赤字を生じた場合は本部回送
金で補てんされる制度になっているため、全国をプ
ールして経理する建前から昭和37年までの9年間は
この掛金、負担金率で支障なく運営されてきたので
あるが、本部における短期給付事業経理の状況は昭
和38年度においては単年度決算で8億2千万円の赤
字を、昭和39年度では25億1千7百万円の赤字を生
じ、更に40年度では41億円の赤字が見込れている。
(この赤字を組合員1人当りに平均すると、4,853
円に相当するものである。)
これらの赤字は支払準備として積立てられてきた
ものをなしくづしにしてきたわけであるが40年度に
おいては、この支払準備金を全部払い出してもなお
41年度に繰越す赤字は41億となり、公立学校共済組
合は動きがとれないところまできてしまっている。
(2)赤字の原因は何か。
このように短期給付事業を圧迫している赤字の原
因はなにによるものであるかを分析してみると医療
費の増嵩が著しいということである。
この医療費は本人、家族ともに著しく増加してい
るため家族療養費附加金も増加している。
当支部における医療費を39年度と比較してみると
本人については、123%、家族については123%と
なり家族療養費附加金については131%いづれも20
%以上も増加している。
(3)短期給付事業当面の問題点
上述のように激増する支出増に対し、収入増とし
て見込まれるのはベースアップ等による収入増加し
かないがこのベースアップ等による収入増加との均
衡は38年度から破られてきており、収支の均衡を保
つためには、国の補助によるか、掛金等を引き上げ
るかしか方法がないのである。そしてその方法は中
央運営審議会において慎重審議されているのが40年
度における短期給付事業面の現況である。
4 長期給付事業
昭和40年度の長期給付関係の事業は次のとおりであ
る。
(1)前歴調査(3カ年計画の3年目)
昭和38年度より3ヵ年にわたり継続調査してきた
前歴調査は、昭和40年度を最終年次として調査の完
結をみた。
この調査は地方公務員等共済組合法施行規程第91
条に基づくもので、将来教職員が退職または死亡し
た際の年金および一時金の算定資料として広く活用
するものである。今後はこの調査をもとに、更に条
例支給率証明書、共済組合適用証明書、一時恩給支
給額証明書、恩給支給額証明書等を支部が関係各機
関から交付を求め、早急に原票に転記保存すること
になっている。
1.調査件数 約16,000名
2.調査対象者 大正13年1月1日以降の出生
者
3.調査の期間 昭和40年11月〜昭和41年8月
4.提求を求め 前歴報告書およびこれに添付
たもの する履歴書、前歴に関係ある
各種証明書
(2)組合員動態統計調査
毎年本部が計画実施する抽出調査である。昭和40
年度は組合員証番号末尾の数字が5番の者を抽出し
て調査した。調査の内容は勤務年数別の組合員数、
給付額等を調査することになっており、この結果は
長期給付所要財源率を定めるための資料に利用され
る。
(3)退職一時金等の給付概況
昭和40年度において支部が決定給付した退職一時
金等の給付概況は次のとおりである。
給付の種別 件数 給付金額
退職一時金 332 27,881,875円
遺族一時金 3 384,492円
5 共済組合の行なう福祉事業
共済組合の福祉事業には、教職員及びその家族
が保養または宿泊するための施設の経営、教職員住宅
の建設、生活および住宅資金の貸付、成人病予防助成、
スキー講習会の開催、銀婚式祝賀、レクリェーション
大会助成、へき地医薬品の配布等である。以下これら
について順をおって述べることにする。
(1)保養所の経営
公立学校共済組合が経営している保養所には、
飯坂保養所(吾妻荘)がある。
この施設は、福島市飯坂温泉に昭和27年7月に開
設し、昭和32年7月に管理棟、別館を増改築して現
在にいたっており、宿泊定員46人、宿泊外定員39人
の施設である。収容人員が少ないので申し込んでも
利用できない場合が多く、殊に観光シーズン中には
数ヵ月前から予約があり満員の状況である。
そこで、昭和38年度に移転用敷地4,806平方メー
トル(1,454坪)を購入し新築の準備をしていたと
ころ、昭和40年9月に公立学校共済組合本部におい
て全国62施設中老朽施設38施設について、40年度を