教育年報1965年(S40)-205/213page
県営体育館
第1節 概 要
1 は じ め に
県営体育館は、発足以来1年7ヶ月を経過した。こ
の体育館の管理、運営の如何はスポーツの普及振興に
重要な関係があり、管理、運営の万全を期すためには、
この根本を認識しなければならない。
(1)館員の心構え
1) 体育館の使命の理解
2) スポーツの理解
3) 奉仕精神の自覚
(2)使用者の心構え
1) 公共施設使用の心構え
2) スポーツをとおしての心身の健全なる発達
をはかる。
3) スポーツ技術の習得につとめる。
(3)一般人のスポーツヘの理解
スポーツは、スポーツ本来の体力の向上、健
康の増進に役立つのみでなく、心身の成長、発
達、人間形成の段階にある児童、生徒にとって
特に重要な内容をもっていることを理解する。
2 管理、運営の実際
管理、運営については、39年度の経験をもとにして
管理の徹底、施設設備の充実、運営の改善に努力した。
用器具倉庫の改良による用器具の保全、サブコートの
舗装、土手石積みによる環境の整備、野球場ダグアウ
トの改修、土湯スケート場の改修等により漸次整備さ
れた。また、体育館電気工作物関係では、供給力の増
強及び電圧の改善対策として、昭和40年12月20日、
東北電力株式会社の配電、電圧の変更に伴い、当体育館
の受電電圧が3300ボルトより6600ボルトに昇圧になっ
たほか、本館北側及び東側に防犯灯(500ワットレフ
レクターランプ)2灯ずつ計4灯を取付け整備した。
使用状況は、別表のとおりであるが、
(1)全館貸切りの場合は、高校、一般共に件数は多
少減少の傾向にあるが、使用日数は多くなってい
る。特に目立つのは、興業関係の減少である。こ
れは、小都市のため、観客動員に限度があり、収
益に問題があること、暴力団取締りが影響したも
のと思われる。
(2)一部貸切りについては、主として高校、一般の
練習に使用されているが、高校は多少増加の傾向
にあり、一般は減少しているが、これは会社の都
合によりスポーツ活動を休止しているものがある
ためと思われる。今後学校体育館の整備につれて
幾分高校の使用減少が予想される。
(3)野球場、陸上競技場は、他に施設がないため多
少使用が増加の傾向にある。
(4)冬季暖房について
選手の練習は別として、冬季暖房設備のないこ
とは興業、集会、大会運営に支障があり、今後体
育館の利用促進とにらみ考慮する必要がある。
(5)運営について今後の問題点
体育館運営についてその根本をなすものは、こ
の施設によって体育館本来の目的を発揮すること
にある。したがって、
1) 体育施設を最大限に利用活用する方法を講ず
ること。
2) 体育施設を利用して積極的にスポーツの振興
をはかる方法を講ずること。
現在の運営は、消極的な貸間業であり、巨費を
投じた折角の施設が宝のもちくされとなるおそれ
がある。体力の向上、スポーツの振興に、この立
派な施設を積極的に活用することにこそ今後の体
育館運営の焦点である。
その方法として、
イ 体育指導者を増員
ロ 体育館行事として、指導者講習会、スポーツ
教室、選手強化合宿等を計画実施する。
ハ 体育スポーツの理論と実際の研究をする。
ニ 体育、スポーツの調査、資料の収集にあたる。
こうすることによって体育館の県営スポーツセン
ターとして名実ともに、その存在価値がある運営
ができるのである。
(6)運営上の会議
1) 体育施設の運営、使用等についての懇談会
県営体育施設の管理、運営についての意見を聴
取し、施設使用上の具体的な資料を得るため、下
記により懇談会を開催した。
日 時 11月24日 午後1時〜4時
場 所 県営体育館会議室
協議題 県営体育施設の利用・運営等について
昭和41年度行事について
その他
出席者 体協加盟団体事務取扱い者
県北高体連各種目専門委員長
2) 使用日程調整について
県高校体育大会、県総合体育大会の前及び冬期
には各高校運動クラブの練習が激しくなり、体育
館の使用希望が多くなるので、使用希望チームの
申込みが早いもの勝ちの傾向が考えられるので、
できるだけ多くのチームが公平に使用できるよう
にするため5月、7月、1月の3回にわたり、使
用を希望する学校のクラブ担当顧問の出席をもと
めて、使用日の調整を図った。