教育年報1966年(S41)-078/194page

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  された。

 以上のように、現在高校の直面する、学習指導の基礎技術

の問題について、各種実態調査および実際の指導の場をとお

して研究が進められたが、その結果、教師の板書に対する配

慮、生徒のノートに対するかまえ方が非常に意欲的になり、

また学習の個別化を図った営みが効を奏し、尊い実践例の数

数が残された。

 2 福島県立小高農業高等学校

(1) 課程、学科

  全日制農業科、畜産科、家政科

(2) 研究主題

  農業高校における学力向上の研究

(3) 研究成果

 1) 生徒の能力の実態に即応した学習内容の精選と、その

  指導法の研究

   昨年度の各種実態調査をとおし、学習指導・学習環境

  ・生徒指導の面から、現職教育のあり方、普通教科・農

  業・家庭に関する教科の学習指導のあり方、進路指導の

  あり方などについて研究を進めた。

 2) 生徒の自主活動の場の育成強化について

   実業高校としての生徒の実態から、生徒会・各種クラ

  ブ活動・HR・週番などにおける生徒の自主的な活動を

  いかに図るべきかの研究がなされた。

 3) 学校行事等の効果的な運営について

   農業高校という特殊性から、学校行事等のしめる位置

  は非常に大きいので、これを効果的に運営することによ

  って学力向上を図るべく研究を進めた。

 以上のように、2ヵ年にわたる研究の結果、広範な資料と

ともに、実質的な効果をおさめた。

 3 福島県立四倉高等学校

(1) 課程、学科

  全日制普通科、家政科、水産製造科

(2) 研究 主 題

  調和ある学力向上の実践的研究

(3) 研究成果

 1) 学習意欲の向上をいかにして図るか。

   各教科の授業の中で、日常生活の中で・ロングタイム

  HRにおいて・家庭においていかにして意欲を向上させ

  るべきかについて、各種実態調査をとおしてその実際化

  について研究を進めた。

 2) 教師の指導技術向上の研究

   全教員による授業の研究・教科の相互研修日の設定・

  予習課題、復習課題と授業の関係などをとおして指導技

  術の向上を図るべく研究を進めた。

 3) 生徒指導の徹底

   ロングタイムHR指導の重視・個人指導の徹底などを

  とおして研究を進めた。

 4) 教室の設備の完備

   環境による生徒への影響を考え、当初に計画したもの

  は全部設備し終った。

 以上のように、綿密な実態調査と、その活用に周到な配慮

を行ない、着実な研究が進められた。

 4 須賀川高等学校

(1) 課程、学科

  全日制普通科、商業科

(2) 研究主題

  低学力者の学力向上に関する研究

(3) 研究成果

  普通科と商業科を併設している高校の学力充実に努力し

 よりよい社会人としての人間性を作りあげるべきことにつ

 いての研究、特に低学力者の学力向上に重点を置いて研究

 が進められた。

 1) 基礎調査

   個人ごとの入試成績と知能偏差値と学期末成績の追跡

  調査、学習と家庭環境、低学力者の総合調査等広い分野

  にわたっての基礎調査がなされた。

 2) 教育課程と教科書の研究

   現行の教育課程に検討を加え、生徒の能力と志望と適

  性に応じた教育課程を選ぶ足がかりをもった。また教科

  書については、教科書に示された真意を確実に進めてい

  けるような教科書研究を進めた。

 3) 授業中における学習効果の向上

   各教科ごとに主題を定め、研究活動が開始され、それ

  ぞれの分野において貴重な結果を得た。

 4) 学業とクラブ活動に関連する研究

   クラブ活動の実態、クラブ活動に対する生徒のかまえ

  方等を中心に研究を進め、今後に残された種々の問題点

  が明らかにされた。

 5) 生徒各個人を対象とするカウンセリングの充実による

  学習および生活指導について

   カウンセリングの実践記録を通じて、生徒実態のは握、

  および生活指導に具体的なメスを加えた。

 5 郡山西工業高等学校

(1) 課程、学科

  全日制機械科、電気科、化学工業科

(2) 研究主題

  工業実習の指導はどのようにしたらよいか。

(3) 研究成果

   【124頁に続く】

 7 福島県視学委員の学校訪問

(1) 視学委員設置の目的

  本県の現職教育および学校における教育活動のありかた

 について、専門的な見地からの援助を得て、児童・生徒の

 学力向上対策の充実をはかるため、福島県視学委員を設ける。

(2) 任    務

  福島県教育委員会の計画に基づき、次のことを行なう。

 1) 本県の現職教育のありかたについて、教育長の諮問に

  応ずる。

 2) 本県の小・中・高等学校を訪問し、教育活動のありか

  たについて、教職員の指導助言にあたる。

(3) 委    嘱

  本県内の学識経験者の中から教育長が委嘱する。

(4) 任    期

  委嘱された日から当該年度末までとする。

(5) 本年度の視学委員とその視察について


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