教育年報1966年(S41)-092/194page

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審議し、下記のとおり、結論を得たので、ここに答申いたし

ます。

             記

第1共通に要請される事項

  本県高等学校における産業教育の拡充と整備にあたって

 農業、工業、商業、水産および家庭に関する教育、中学校技

 術家庭に関する教育のそれぞれについて措置すべき事項は

 第2以下に述べるとおりであるが、次の4点については、

 特に共通に要請される事項であるので、じゅうぶん考慮す

 る必要がある。

 1. 近代的産業人の大幅な養成を図る必要がある。

   科学技術の急速な進展に即応して、産業構造および就

  業構造の近代化、高度化が促進されつつあるが、これに

  伴って、産業に従事する産業人の数的拡充と資質の向上

  は現下の重要な課題である。

   したがって、これに対処するためには、職業に関する

  学科の新設、普通学科から職業学科への転換、および普

  通学科における職業選択コースの新設等の措置を講ずる

  とともに、入学後においても容易に生徒の能力適性によ

  って、それに見合う適正学科への転科措置がとられるよ

  うな処置を進めるべきである。

   また、特に資質の向上については、今後の産業経済の

  動向、地域の実態、生徒の能力適性、進路を的確には握

  し、これにこたえる教育の徹底を図る必要がある。

   これとあわせて、定時制教育、別科め教育を含めたさ

  らに広い産業技術、技能教育の制度的拡充と整備を早急

  に具体化する必要がある。

 2. 教育目標を明確にし、教育内容を改善し、産業教育の

  効果をいっそう高める必要がある。

   近代的産業人は、産業技術の進歩に対応できる応用力

  と独創力を有するものでなければならない。このような

  能力と資質を有する近代的産業人を養成するためには、

  職業に関する学科の目標をさらに明確にし、その特色を

  じゅうぶん発揮することのできるように専門科目の教育

  内容を検討する必要がある。

   また、教育の効果を一層高めるためには、指導方法の

  改善をはかって、実験、実習による教育をいっそう徹底

  する必要がある。しかし、産振、施設、設備の現状は、

  現在の産業教育を進めるうえにも、まだじゅうぶんとは

  いえない情況にあるので、これが充実を急速に進める必

  要がある。

   さらに、生徒に対しては、進路指導が計画的、継続的

  組織的に行なわれるようじゅうぶん措置する必要がある。

 3. 教職員の確保と資質の向上をはかる必要がある。

   教職員の確保をはかるためには、抜本的な待遇改善を

  断行し、教育環境、勤務条件の整備をはかり、新規大学

  卒業者の早期確保と、産業界における現場経験者を容易

  に学校に誘致できるような措置を講ずる必要がある。特

  に実習助手の確保についてはじゅうぶん配慮されなけれ

  ばならない。

   また、教職員の資質の向上を図るためには、研究指定

  校制度の実施、産業教育指導者養成講座の増設、現場実

  習を含む講習の実施等による研修の機会を増加し、内地

  留学、海外留学制度を拡充するなどの措置を講ずる必要

  がある。

 4. 産業教育総合研修センターを設置する必要がある。

   教職員の資質の向上を効率的にはかるためには、身近

  かに、総合的に研修のできる産業教育総合研修センター

  を設置して、計画的、組織的、積極的に研修を実施する

  必要がある。

  第2 各学科に要請される事項(略)

 5. 自営者養成農業高等学校について

(1) 指定年月日

  昭和41年4月1日

(2) 生徒募集定員

 ア. 自営者養成学科 農業科  80名

              農蚕科  40名

              畜産科  40名

              園芸科  40名

              生活科  80名

 イ. 関連産業学科  農業土木科  40名

 ウ. 定時制      農業科  48名

 工. 専攻科      農蚕科  10名

(3) 設置場所

  南福島駅西側 永井川地区

(4) 設置構想

 ア. 用地、総面積 367ha

  (ア)校舎、寄宿舎敷地および運動場 6.7ha

  (イ)実習地 30ha

    内訳 新用地(永井川地区)  14ha

       現有実習地       6ha

       放牧および採草地10ha(今後購入予定)

 イ. 校舎 5ケ年計画で移転改築の予定

      総額 327,968千円

      (校舎22,526坪、体育館500坪)

 ウ. 寄宿舎 昭和41年度に建築完予

      総額 194,094千円(1,008坪)

            320人宿泊分

 エ. 実習用農場建物 総額 37,621千円

           坪数 565坪(昭和42年度建築分予

           定)

 オ. 実習用設備 総額 28,758千円

         昭和42年度購入分の予定

   このほかに産業教育振興法による補助対象として農場

  建物の施設と設備をする。

 カ. 農 場 経 営

   水田6ha、畑地(普通作物、野菜、草花)2.3ha、

  果樹園3.5ha、桑園2.7ha、飼料園5.5ha、草地10

  ha、温室8棟320坪、豚200頭、鶏3,000羽、乳牛30

  頭

(5) 教育方針

  〇基本方針

   本県における自立経営農家の後継者となる農村子弟の

  養成と確保を図る。

  ア. 目標性格の明確化

    農業自営者養成教育の目標と性格をいっそう明確に


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