教育年報1967年(S42)-076/194page

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   第4節 学力向上対策

 県教育委員会は、学力の向上を数年来重点目標とし、教育

諸条件の改善整備と教職員の資質の向上をはかる施策実施に

努めてきた。とくに、小・中学校においては、昭和38年度か

ら、2年単位で指定した学力向上推進校、高等学校について

は研究学校の研究それぞれにおける研究成果とその普及によ

る実績はきわめて大きなものであった。

 本年度は、このような成果を土台としながら、さらにその

反省にたって、「教職員の資質と指導力の向上」と「児童生

徒の学力向上」を重要な軸としてかかげ、具体的施策の徹底

につとめた。この中で、主体的な学習態度育成への段階を着

実にすすめる傾向や授業における学習の個別化をはかる努力

が見られるようになったことは、大きな収穫であろう。こん

ごも、じゅうぶんな施策をねり、学力向上を重点的にとりあ

げ、それらの成果をさらに積みあげるように推進したい。

 本年度において、教職員の資質向上にとられた施策のおも

なものは、下記の通りである。

 1 学習指導法講習会の開催

(1) 目    的

  小学校および中学校における教員を対象に、学力向上推

 進校の研究と一貫性をもたせて、学習指導法の講習会をひ

 らき、授業の充実と体質改善に資するようにつとめる。会

 場も、推進校において実施し、研究過程にあわせ、授業を

 とおしての研究会が展開され効果をあげた。

(2) 主    催

  福島県教育委員会

(3) 期    間

  2日間

(4) 期日、会場

地区 管内 期日 会場
県北 信夫
伊達
安達
9月12〜13日
9月12〜13日
9月12〜13日
川俣町立川俣中
国見町立県北中
本宮町立本宮小
県南 郡山
岩瀬
西白河
東白川
石川
田村
9月11〜12日
9月19〜20日
9月12〜13日
9月11〜12日
9月11〜12日
9月12〜13日
郡山市立開成小
須賀川町立小塩江小
白河市立白河二小
矢祭町立矢祭中
石川町立浅川中
滝根町立滝根中
会津 北会津
耶麻
両沼
9月25〜26日
9月25〜26日
9月25〜26日
猪苗代町立東中
北塩原村立北山小中
高田町立永井野小
いわき
双葉
相馬
9月19〜20日
9月19〜20日
9月20〜21日
いわき市立湯本一小
双葉町立双葉中
相馬市立金房小

(5) おもな講習内容

 1) 学級経営の基本的な考えかた

  〇 教育効果をあげる学級経営

  〇 学級経営と学習指導、生徒指導

  〇 調和のとれた指導と管理

 2) 授業の体質改善について

  〇 学習過程の合理化

  〇 学習指導の個別化

  〇 課題の与え方と授業への位置づけ

(6) おもな反省事項

 1) 学力向上推進校を会場として、学校公開、研究経過の

  発表、講議などを実施したことは、現場の実際をとおし

  ての問題点の解明と相まって参加者の意識も高まり、効

  果があがったと思われる。

 2 高等学校学習指導法・視聴覚実技講習会

 高等学校における学習指導上の問題点を究明し、指導技術

の改善を図るとともに、教科指導における視聴覚教具の活用

について研修し、授業の充実に資することを目的とする。

(1) 主     催

  福島県教育委員会

(2) 期日と会場

  6月5日(月)、6日(火) (県南・会津)

  郡山女子高等学校・若松女子高等学校

  6月7日(水)・8日(木) (県北・浜通り)

  福島西女子高等学校・磐城高等学校

(3) 参  加  者

  各高等学校の教職員のうち、前年度までの同講習会に参

 加しなかったもので、教職経験の浅いもの、各校2〜3名

 とする。

(4) 講 習 内 容

 1) 学習指導上の問題点とその改善

  〇 授業充実の方法

  〇 指導技術の改善

 2) 視聴覚教具の活用

  〇 オーバーヘッド・プロジェクターの活用

  〇 VTRの活用

(5) 講     師

  福島大学教育学部教授 西川幸雄、宮口春雄

  福島県教育庁・指導課 指導課長、指導主事

 3 教育課程研究集会の開催

 小学校、中学校および高等学校について開催したが、とく

に、小・中学校においては地区集会―県集会―全国集会

という一貫した積みあげ方式で行なわれ、小・中・高校を通

して実践発表、研究協議等に活発な意見の交換が行なわれ、

所期の目的を達成した。

  (詳細は第5章第3節参照)

 4 各種研究会、講習会等

 児童生徒の学力向上をはかるため、上記のほか、別記各種

研究会、講習会を開催し、教職員の資質向上をはかった。

  (詳細は第5章第2節、第3節、第5節、第6節、第7

 節、第8節、第9節、第13節参照)

 5 学力向上推進校の委嘱

 各管内1校ずつ、16校の学力向上推進校を指定し、2ヵ年

継続で研究を進めるよう依頼した。


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