教育年報1967年(S42)-180/194page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

 以前の問題であろうと考えられる。ちなみにもっと人間の

 生命に直接関係のある例をあげてみても、東京大学医学部付属病院

 の外来患者の50%はやはり病院を中心とした半径

 4km以内の住民によって占められているということだそう

 である。→(表5)

 2 調査相談事務 (レファレンス・サービス)

(1) 回答事務

  二階の一角に約1,000冊の参考図書(辞典、年鑑、目録、

 便覧等)を公開し、利用者の調査相談にあたっているが、

 本年度の利用状況は表6の戸な数字になっている。まだ

 まだ少ない数字といわなければならない。このことは単に

 資料が少ない、職員が足りないという問題でなく、図書館

 がどんな役に立つところかが一般に知られていないからで

 ある。利用者はどの程度に、どんなことを教えてもらえる

 のか、または情報を提供してもらえるのかわからないまま

 に放置されているし、またどの程度に図書館員に期待でき

 るのかわからないからである。ただ本年度特に目立つこと

 は、電話による相談事務がかなりのウエートを占めている

 という点で、図書館に足を運ぶ暇のない人、遠方で来館で

 きない人が積極的に図書館を利用するようになったことは

 歓迎すべき現象である。しかし電話による相談事務は速報

 性を要求されるため、一層資料とそれを助ける補助資料の

 整備が痛感される。→(表6)

(2) 特許関係資料

  特許庁から発行されている各公報の利用状況をみると表

 7のように実用新案が多く、次いで特許、商標となってい

 る。利用層は会社員、商業が多く、やはり特許庁に出願す

 るための調査が主であるようだが、今後種々の機関誌等で

 PRにつとめ利用者の増加をはかりたい。→(表7)

(3) 複写サービス

  資料利用の一形態として、近年資料の複写サービスが話

 題になってきた。一部ではすでに文献の複写利用が貸出し

 に迫っているともいわれているが、本館では貸出しできな

 い資料(新聞、郷土資料、貴重資料、参考図書等)に限っ

 て利用者の要求にこたえているが、申し込みが多く片手間

 の業務とはいえなくなってきている。本年度の取扱った件

 数は表6のとおりであるが、42年4月に新しく「リコー・

 エレクトロニック・リコピーBSI型」を備えつけて以来

 飛躍的な伸びをみせている。→(表8)

(4) 補助資料の作成

 1) 新聞クリッピング

   めまぐるしく変わる社会情勢にかんがみ、県民の生活、

  産業、教育などに役立つ資料と情報とを提供できるよう

  に、郷土の新聞(福島民報、民友新聞)から参考になる

  記事を切り抜いて保存し、利用に備えている。本年度の

  特集としては、東北自動車道、福島交通問題、

  阿武隈山脈、会津博、ふくしま百年の人々などがある。利用者は

  学生、新聞・放送記者などが目についた。

 2) 特許関係県内出願者名簿

   特許庁から発行されている特許、実用新案、意匠、商

  標公報等で、県内から出願されたものを被すいし、名簿

  の作成、発明の名称、出願人などを記録しているもので

  県内の発行情勢が一目でわかる。

(5) 相互貸借

  現代社会の多様化に伴い、利用者の求める情報も多岐に

 わたり、資料の不足と相まって、自館だけでは解決できな

 い問題が多くなってきている。そこで県内外を問わず、資

 料の相互貸借を行なうことによって利用者に満足のいくサ

 ービスをするよう努めてきた。特に本年度は国立国会図書館

 の「図書館図書貸出」に加入が認められ、今後の調査相

 談に大きな力となることと思われる。

  なお本館の借受者番号は「J 98」である。

表1 利用者数 (昭和42.4〜43.3)

職業別/人員 館内(人) 館外(人) 計(人) 構成比%
児童 5,678   5,678 5
中学生 8,484   8,484 8
高校生 39,585 2,099 41,684 40
大学生 18,345 4,928 23,273 23
教員 349 261 610 1
公務員 1,540 1,403 2,943 3
銀行・会社員 1,601 1,364 2,965 3
運輸・通信業 356 430 786 1
農業 178 50 228 0
商業 229 150 379 0
工業・技術者 141 222 363 0
自由業 188 79 267 0
主婦 102 449 551 1
無職 2,400 839 3,239 3
その他 11,067 872 11,939 12
90,243 13,146 103,389  

 開館日数 280日  1日平均 369人

表2 月別利用者数 (昭和42.4〜43.3)

月別/
利用者数
館内 館外 合計(人) (人)
一日平均
(日)
開館日数
児童生徒学生 計(人) 児童生徒学生 計(人)
一般 一般
42.4 4,076
1,109
5,185 383
462
845 6,030 251 24
5 5,588
1,478
7,066 629
601
1,230 8,296 346 24
6 5,198
1,530
6,728 752
599
1,351 8,079 323 25
7 6,842
1,385
8,227 543
511
1,054 9,281 371 25
8 8,001
1,216
9,217 499
525
1,024 10,241 394 26
9 5,760
1,685
7,445 599
531
1,130 8,575 390 22
10 5,514
517
6,031 531
483
1,014 7,045 391 18
11 5,492
1,741
7,233 746
553
1,279 8,512 370 23
12 6,479
1,690
8,169 619
453
1,072 9,241 401 23
43.1 5,603
1,534
7,137 479
349
828 7,965 379 21
2 8,476
1,893
10,369 757
514
1,271 11,640 443 24
3 5,802
1,634
7,436 489
559
1,048 8,484 340 25
79,119
11,124
90,243 7,027
6,119
13,146 103,389 369 280

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。